先週の土曜日は、今月からバイトに来ることになった他の施設の若い先生が日当直に入っていた。翌日曜日に日直で来た時に、どんな患者さんが受診していたのか確認した。
日直帯で、66歳男性が2週間前からの心窩部痛と嘔吐で受診していた。もともと80Kgあった体重が数か月で20Kg減少したという。小球性貧血があり、腹部造影CTで胃に潰瘍性病変があった。大きな深掘れ潰瘍で背側に穿通していた。
遊離ガスはなく、穿孔には至っていない。ただ、周囲脂肪織に炎症像が広がっている。日直の先生は外科の当番医に連絡して、外科病棟に入院になった。担当を(消化器)内科にするか外科にするか微妙な問題ではある。
週明けに上部消化管内視鏡検査が行われたが、周堤形成はなく、良性の胃潰瘍ではないかと診断された。生検の結果はまだだが、まず良性潰瘍だろう。昔はこのくらいの潰瘍をたまに見たが、今時はほとんど見ない。
この方はひとり暮らしだが、震災の時に家屋に被害が出て、それから今まで車内で生活していた。震災直後はしばらく車内で生活する人たちがいたが、それ以来すっとという人はいないだろう。最近は兄のいる実家に行く回数が増えてはいたそうだが。
入院後は高カロリー輸液が行われている。時間をかければ、この胃潰瘍は治るのだろうか。治療以外に医療相談室も介入して、今後の生活支援についての相談が始まった。
訪問者数が急に増えて(もともと大した数ではないが)、どうしたのかと思ったが、「GI療法」の検索でひっかかるようだ。検索の最初の画面に出てくる。