先週から他病院からの転院依頼が増えてきた。今日は隣県の血液内科のある病院から90歳女性が転院してきた。見かけは元気そうで、セッティングすれば自分で食事摂取できる。
昨年10月に汎血球減少症で内科医院からそちらの病院に紹介になった。骨髄検査の結果、骨髄異形成症候群(MDS)・骨髄線維症と診断された。高齢(定義上は超高齢者になる)で積極的な治療はできないので、貧血に対する輸血を断続的に行っていた。家族の話では外来ではなく、入院で行ったらしい。ちょっと自宅から遠いので、2~3日入院して輸血したのかもしれない。
今回は7月下旬に腰椎圧迫骨折でその病院の整形外科に入院した。その後肺炎になって血液内科で治療していた。そのまま入院あるいは外来治療をするつもりだったらしいが、家族が家から近い当院への転院を希望したのだった。芽球が末梢血に10%出ているというので、すでに急性骨髄性白血病になっていると思われた。
あまり患者さんのやりとりをしていない病院なので、お互いになじみがない。診療情報提供書には、血液内科医が貴院にいないことは家族が承知しております、とあった。「骨髄異形成症候群(芽球が増える、白血病の前段階のタイプ)」、と補足がついていた。
「輸血はHb8g/dlを維持するように、血小板は2万を保つように」と細かく指示していた。血小板輸血は適応をみて決めるが、数日の効果しかないので実施しないかもしれない。「最終的には白血病の進行や、肺炎・敗血症などの感染症で亡くなるケースも多いです」、と予後の見込みも記載してた。
血液内科医からみれば、一般内科への転院は心配だったのだろう。確かに、子供にお使いの道筋を教えるようなものかもしれない。