なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢発症てんかん

2020年07月11日 | Weblog

 施設(グループホーム)入所中の89歳男性が、意識消失と部分的なけいれん?で救急搬入された。

 午前9時過ぎにホームで急に意識消失して下肢や腹部を動かしていた。呼びかけに反応しなかった。救急隊到着時、開眼はしていたのが発語はなかった。血圧などのバイタルに異常はない。

 内科外来にCOPD・糖尿病で、神経内科外来に認知症(アリセプト5㎎/日)で通院している。通常は話かけると一言二言しゃべって、短く笑い声を上げる。ちょっとしたことで怒り出すこともあるが。

 頭部MRIでは大脳委縮・脳室拡大が目立つが、新規の脳血管障害はなかった。内科の若い先生が診察して、神経内科医と相談した。(いつもの?)イーケプラ500mgを点滴静注して、その後は同薬の内服が開始された。

 入院後も少しもうろう状態が続いたが、すぐに意識は戻って、食事摂取良好となった。意識消失・けいれん発作もなく過ごしている。抗けいれん薬を継続して退院にできそうだ。神経内科外来(外部の先生担当)に通院しているので、そのまま処方継続を依頼できる。

 脳血管障害はなく、アルツハイマー型認知症に伴う症候性てんかんということになる。高齢発症のてんかんでは、発作再発性が高く、初回発作から治療開始してよいとされている。薬剤相互作用のほとんどないイーケプラは使いやすい。

 

 糖尿病はDPP4阻害薬のみで8%台で、認知症の(超に近い)高齢者として許容範囲だったが、今回は10%になっていた。できるだけ施設で施行可能なインスリンの形か、できればSU薬ごく少量追加で調整することになる。

 

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