なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

著明な胸水貯留

2020年07月25日 | Weblog

 水曜日の午後に、動けなくなったという訴えで80歳男性が救急搬入された。1か月前から食欲不振が続いていたそうだ。救急当番の外科医が対応して、まずCT検査が終わったところで相談された。

 経過は急性ではなく亜急性から慢性のようだ。発熱はなかった。CTで左胸腔内に胸水貯留があり、ほとんど胸腔内に充満していた。左肺は全体が無気肺となってつぶれている。肺内の病変は腫瘤も含めて判読できない(肺癌を示唆する腫瘤はないととるべきか)。

 血液検査の結果が出て、白血球4600・CRP3.6と炎症反応は軽度だった。通常の肺炎・胸膜炎や膿胸らしくない。経過からみて肺癌による癌性胸膜炎、あるいは結核性胸膜炎が疑われる。

 腫瘍マーカーも提出していて、CEAが3.5でCA19-9が1917と著明に増加していた。CTからは胆道系・膵・大腸に腫瘤(癌)は指摘できない。肺腺癌?。

 当院内科では手に余るので、地域の基幹病院呼吸器内科に救急搬送を依頼してくださいと伝えた。連休前でどうかと思ったが、受け入れてもらえて助かった。

 

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