なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わかりやすい尿管結石

2020年07月30日 | Weblog

 昨日の午前3時過ぎに76歳男性が左側腹部痛で救急外来を受診した。当直は外科医(大学病院からのバイト)だった。

 受診時は症状が軽減していた。腹部エコーで左水腎症を認めなかったが、症状からは尿管結石が疑われた。診療が始まってから外来を再受診するように指示して、ロキソプロフェンの内服薬を処方した。

 患者さんは糖尿病・高血圧症で通院していて、たまたまその日が予約日だった。診察前に予定されていた血液・尿検査が行われていて、普段は陰性の尿潜血が(2+)だった。HbA1は6.6%と血糖コントロールは良好だった。

 診察した時は左側腹部の違和感があり、左CVA叩打痛が軽度に陽性だった。これまで4回尿管結石になっていて、最後は10年くらい前だったという。

 腹部単純CTで確認すると、左尿管結石が描出された。内臓脂肪が多いので、単純CTでも読影が容易だが、冠状断で左腎臓からの尿管がきれいに映っていて、誰が見てもわかるように結石がある。尿管の拡張がなく、左水腎症も呈していないのが不思議だったが、結石が小さいので尿が流れているのだろうか。

 

 結石の大きさからは自然排石が期待されるので、疼痛時のジクロフェナク座薬を処方して経過をみることにした。

 中外医学社から尿管結石の本(訳本)が出ていたが、まだ購入していなかった。尿管結石は研修医の時から診ているが、ちゃんと調べたことはないのだった(専門の医学書もあまり見ないが)。

世界一やさしい!  尿路結石の本

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