月曜日に内科小児科医院の女性医師から、下腹部痛の16歳女性が紹介されてきた。
それまで月経は1か月おきにあったが、2月からない。その医院には不定愁訴的な訴えで受診していて、月経がずっとないことから、婦人科へ紹介しようと思っていたそうだ。
前日の夕方に下腹部痛があったが、少し軽減していた。当日早朝からまた下腹部痛が出現して、「5か月振りに生理が来ました」という。出血量はこれまでの月経より量が少ない。
初日だとそんなものかもしれないが、5か月ぶりなので、月経としての出血ではなく、不正性器出血の可能性もある。
37.6℃の発熱もあったが、症状は下腹部痛だけなので(呼吸器症状なし)原因は同じなのだろう。嘔気は少しあるかもというが、下痢はない。下腹部正中から左側にかけて圧痛があるが、腹膜刺激症状はない。
腹部エコーで異常はなかった。エコーなので腸管病変の有無は難しいが、指摘できるものはない。子宮・卵巣、腎臓も問題なく、腹水もなかった。血液検査では白血球数・CRPは正常域だった。
婦人科医に相談して外来で診てもらった。年齢的に内診にはならず、直腸診で子宮頸部を診るそうだ。超音波検査も行っていた。
無月経が続いていたのは、機能的なものでしょうということだった。時期的に新型コロナウイルス感染症で自宅にこもった生活になったことがストレスになったのではないかという。他にもそういう事例があるのだろう。
引きこもり生活で体重が増えたことも関連しているそうだ。確かにぽっちゃりしていた。ふだんから月経痛がひどかったので、今回も月経痛でいいいだろうと診断された。NSAIDsが処方されて、婦人科再診予約となった。
内科としてはためになる話だったが、これまでの経緯からも紹介は最初から婦人科で良かったと思う。