昨日の午後4時ごろに保健所からCOVID-19の患者さんの入院依頼が来た。
ちょうどAST会議をしている時で、感染管理看護師(ICN)に連絡が入った。40歳男性で、3日前から発熱が続いていた。気管支喘息と肥満があり、(ホテル療養ではなく)入院治療となったようだ。当方は横にいたので、そのまま入院を引き受けた。
在宅介護の仕事をしていて、介護者がCOVID-19に罹患していると後で判明したそうだ。本人は「労災では?」と言っている。
高熱はあるが、案外元気だった。体重100kgでBMI36と高い。ふだんでも労作時に汗をかきそうだ。
胸部CTで右中葉に軽度にすりガラス陰影を認めた。脂肪肝による肝障害があるのが気になるが、発症3日目なのでレムデシビル点滴静注を開始することにした。
CTで前縦隔に胸腺腫と思われる腫瘤があるので、退院後に呼吸器外科に紹介することにした。
脂肪肝は肝機能からみると、NASH疑いになる。白血球7300・CRP0.8と炎症反応は軽度だった。Dダイマー0.8と正常域だが、血清フェリチン1502と高値だった。
単球の比率が15.0と高い。これは他のCOVID-19の患者さんでもみられて、単球増加が特徴的だ。ウイルス感染全般にいえるということか。
8月31日に記載した、肥満の男性は2日目の夜間から酸素飽和度が低下した。地域の基幹病院に搬送となったが、その後すぐに大学病院へ搬送となったそうだ。
発症1週間くらいみないと何ともいえないが、今回は順調に軽快してほしい。肺炎の程度からは大丈夫だと思うが。
肥満は確かに重症化リスクだと思う。