なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腫瘍よりはdebris

2021年09月25日 | Weblog

 金曜日の早朝に、90歳男性が右季肋部痛で救急外来を受診した。木曜日の当直だった外科医が診察して、急性胆嚢炎・胆嚢癌疑いとして入院になった。この患者さんは大腸癌(盲腸癌)・多発性肝転移で入院している87歳女性の夫だった。

 妻の方は、一般病棟から地域包括ケア病棟に移動していた。深部静脈血栓症でワーファリンを内服していたが、ワーファリン過量(結果的に)による血便で今回施設から入院となった。

 ワーファリンを中止して血便は軽快していたが、誤嚥性肺炎をきたして、その後薬の内服も難しくなった。このまま点滴で経過をみるようになるので、まだわかるうちに家族に面会してもらうようにしていた。

 病棟の看護師さんから、夫が胆嚢癌で入院したらしいと聞いた。夫も癌では大変だと思ったが、胆嚢癌は疑いとなっていただけだった。画像を確認すると、CTで造影されず腹部エコーで血流を認めないので、どちらかといえばdebrisのようだ。

 もともと総胆管結石で地域の基幹病院消化器内科で胆管ステントを挿入していた。年齢が高いので、入れたままになっているようだ。胆嚢炎として抗菌薬投与で治療が開始されたが、保存的に治療できない時に手術適応はなさそうだが、どうなるのだろうか。

 

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