なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

von Recklinghausen病

2021年09月13日 | Weblog

 von Recklinghausen病の74歳男性は、ふだんは前立腺癌で泌尿器科(非常勤医の担当)に通院している。

 6月に介護保険申請の主治医意見書を希望されて、妻が内科外来に連れてきた。何もしようとしない、入浴を嫌がると言っていた。

 頭部CTで脳委縮と脳室拡張を認めるが、脳血管障害や脳腫瘍などはなかった。長谷川式は20/30点で、印象よりは高めの値が出た。動きたがらないのは性格的なものがあるようだ。

 

 先週の金曜日に数日前から食欲不振・体動困難で救急搬入された。搬入時に発熱はなかった。症状は食べられない・動けないというもので、特に疼痛があるわけでもない。

 頭部CTは前回と同様で脳血管障害の発症はなかった。筋力は低下しているが、廃用症候群ということだった。

 血液検査で白血球18700・CRP17.3と炎症反応の上昇を認めた。胸部CTで肺気腫があるが(現在は禁煙)、肺炎像はなかった。尿混濁もなく、前立腺炎も疑ったが血清PSAは正常域だった。

 背部の神経線維腫の密集した背部の皮膚にびらん形成はあるが、凹凸がありすぎて、評価が難しい。皮膚軟部組織感染症疑いとして、血液培養2セットと尿培養を提出して、抗菌薬を開始することにした。

 普通に会話できていたが、血糖24mg/dlと低血糖を呈していた。50%グルコース20ml静注をして、点滴はグルコース混合に切り替えた。TP5.1・血清アルブミン2.2mg/dlと低蛋白(アルブミン)血症がある。インスリノーマ疑いというより、低栄養・飢餓状態なのかもしれない(外注検査は提出する)。

 入院後に38℃の発熱があり、搬入時は発熱するほどの体力もなかったのかもしれない。

 

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