専門病院から消化器科に転院してきた肝門部胆管癌の89歳男性の経過。
今年の6月に、市内の医院から肝機能障害・黄疸で紹介されてきた。CTで肝門部胆管の腫瘤を認めて、左右の肝管がいわゆる泣き別れ状態だった。
すぐに消化器センターのある専門病院に転送となった。左右の肝管にステントが見事に挿入されて、減黄できた。退院して外来通院となっていた。
8月初めに発熱で救急外来を受診した。当直医(大学病院外科からバイト)がステントを挿入した病院に連絡した。その日は無理だが、翌日に対応可能となり、当院に一晩だけ入院して翌日転院となった。
先方ではステントの入れ替えを予定したが、十二指腸からも経皮的にもアプローチが困難で、そのまま抗菌薬だけで経過をみることになった。退院させられないので、当院に転院依頼がきた。
ところが先方の病院で新型コロナの患者さんが院内で発生して、転院延期となった。この患者さんもコロナのPCR検査や抗原検査を何度か受けた(いずれも陰性)。先月末の予定が、今月に入ってから2週間くらい遅れて転院してきた。
地域の基幹病院でも院内で新型コロナの患者さんが発生して、当院への転院予定が延期されたことがあった。今時の病院の事情だなあと思った。
当院に来てからも抗菌薬を投与していたが、その後は中止しても発熱がない状態で過ごせている。食事も摂取できる。血清ビリルビンは7.6mg/dlで少しずつ上昇はしていて、炎症反応の値は横ばいで推移している。