7月30日に記載したびまん性汎細気管支炎(DPB)の70歳女性。
その時の入院は抗菌薬投与で軽快治癒して退院していた。先週の木曜日に、呼吸器外来に来てもらっている先生(大学病院)から入院を依頼された。
喀痰培養は提出されていて、炎症反応の上昇があった。喀痰がふだんより増加していた。胸部CTで見て、ここが新しい陰影かと思うところはあるが、全体に陰影があるのでわかりにくい。
外来の先生からはセフトリアキソンくらいでと言われたが、緑膿菌カバーの第4世代セフェム(当院はセフォゾプラン)にした。
数日点滴をすると、喀痰の量が減少して、入院時の酸素吸入2L/分も漸減・中止になった。炎症反応は改善して、検査上はほぼ治癒になる。
しかし前日の夜間に喀痰がからんで、酸素飽和度が88%(室内気)になった。酸素吸入1L/分を開始して、すぐに94%となり、その後99%まで上がった。短時間での飽和度の変化なので、喀痰の影響なのだろう。
抗菌薬投与は中止するが、週明けまで経過をみてから退院を考えることにした。
昨日、呼吸器外来に来ている先生に相談した。ふだんは他の呼吸器外来の先生が診ている。たまたま先週定期外で受診したので診たということになる。
クラリスがずっと投与されているが効いて訊いていないようですと訊いてみた。DPBのマクロライド無効例はありますよ、と言われた。
患者さんが、ふだん診ている先生ではなく、その先生に診てほしいと希望されていた。(確かにふだん診ている先生は、コンピュータの画面ばかり見ていて、私を見てくれないと他の患者さんにも言われたことがある。専門は肺癌。)私でよければ、診ましょうかと言っていた。
こちらの先生の方が抗酸菌感染を含めて感染症には強い。相談すると熱心に答えてくれる。外来数が多いので恐縮だが、外来通院で診てもらうことにした。
喀痰培養から緑膿菌が検出されたが、外注検査で(1+)だったので、定着菌か起炎菌か判別できない(前者かもしれない)。