なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性大動脈解離

2021年09月22日 | Weblog

 昨日の午前中は内科新患を診ながら、救急当番をしていた。市内の救急隊から、心肺停止の80歳男性の受け入れ要請が来た。ふだん当院に通院しているという。来てもらうことにした。

 認知症の妻とふたり暮らしだった。たまたまケアマネージャーが訪問して、トイレで倒れているのに気付いて、救急要請してくれたそうだ。

 名前に聞き覚えはなかったが、姓が当地でそれほど多くないことから、認知症で通院している患者さんが思い浮かんだ。その方の住所を画面で確認して、搬入される患者の住所を見ると同じだった。

 ふだん当方の外来に通院している高齢女性の夫になる(退職した医師から回ってきた)。妻を連れて来てくれる穏やかそうな方だった。別の内科の先生の外来に高血圧症・高脂血症で通院していたのだった。

 奥さんの方は甲状腺機能低下症・骨粗鬆症の定期処方をしているだけで、難しい治療はしていない。言ってくれれば同じ医師の外来にまとめてもよかったが、律儀に別々の内科医に通院していた。

 

 救急隊が自宅到着に心肺停止を確認している。救急車内で心電図モニターはは心静止だった。蘇生術をして搬入されたが、やはり心肺停止(心静止)で瞳孔散大・対光反射消失を認めた。

 そもそも発症からどのくらいで発見されたかわからない。おそらく倒れてから、30分か1時間くらいは経過しているのだろう。気管挿管をして心肺蘇生術を続けたが、まったく反応はなかった。

 病院にはケアマネージャーが妻を連れて来ていて、連絡を受けた弟夫婦も来ていた。処置をしているとことを弟夫婦に一度見てもらって、状況は厳しいことを伝えた。

 その後も処置を続けたが、やはり反応はなく、弟さんに入ってもらって死亡確認をした。倒れた時にできた皮下出血が顎にあるが、外見上は所見がない。

 Autopsy imagingのCT検査を行った。頭部CTは所見なし。胸腹部CTで少なくとも胸部下行大動脈に解離があり、胸腔内の出血していた。

 急性大動脈解離からの破裂と判断された。おそらく胸痛発症後に短時間で心肺停止になったのだろう。

 

 この夫婦は子供さんがいないので、認知症の妻が残されたことになる。弟夫婦には、しばらくは親族で面倒をみると思うが、早急に施設入所できるようにケアマネージャーと相談してもらうことにした。

 病院では介護者のためのレスパイト入院も行っているので、施設入所が難しければ医療相談室に連絡するようにと伝えた。

 

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