なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

PMR⇒RS3PE

2021年09月07日 | Weblog

 今年の4月にリウマチ性多発筋痛症で入院した83歳男性は、症状軽快後に外来通院をしていた。

 

 2月半ばから歩行しにくくなって、整形外科クリニックを受診していた。その後3月末から発熱が続いて、両下肢の痛みの悪化と両肩・上腕の痛みもあった。かかりつけの内科クリニックで抗菌薬(経口)や鎮痛薬(アセトアミノフェン)の処方をうけたが、やはり改善しないかった。

 4月初めの土曜日に、発熱・体動困難で当院に救急搬入された。日直の先生が肺炎として入院させて、抗菌薬(セフトリアキソン)を開始していた。(実際は肺炎ではなく、重力の問題による背側の水分分布をみていた)

 呼吸器症状はなかった。症状は朝の手のこわばり、両側肩~上肢近位の痛み、腰から下肢近位にかけての痛みだった。

 症状からリウマチ性多発筋痛症(PMR)が疑われた。入院時に血液培養2セットを提出してもらっていて、陰性なのも参考になった。PMRは除外診断なので、血液培養陰性は診断に必須になる。

 プレドニン15mg/日で治療を開始した。症状は1週間くらいで軽快した。入院時は白血球7600・CRP11.1・血沈(入院後に追加)85mm/時と炎症反応の上昇があったが、13日後には白血球7700・CRP0.4まで改善した。

 外来でプレドニンを12.5mg/日、10mg/日と漸減していった。CRP0.1となっていた。そこからはプレドニンを1mgずつ漸減することにしていた。

 プレドニン9mg/日でCRP0.7と若干上昇した。症状に変化はないんで、9mg/日でもう1回経過をみることにしていた。

 

 8月20日に両手・両足(手関節から手指近位、足関節から足趾近位)の腫脹・疼痛が出現した。予約外で外来を受診して、新患担当の先生(大学病院からバイト)が診察した。

 血液検査でCRP0.6と前回と同程度だったので、アセトアミノフェンを追加して経過をみることにしていた。2日くらいで手足の症状は軽減したそうだ。

 その後、3日前の入浴時にタオルがしぼれないのに気付いた。2日前の朝から腰から下腿近位が痛くなって、動きが悪くなったそうだ。今日は症状は軽減しているそうだ。CRP3.3・血沈45mm/時と炎症反応が上昇していた。

 PMR+手足の浮腫となると、RS3PEになる。症状が若干だが増悪~軽快するのは不思議だが、リウマチ膠原病系統ではありうるようだ。

 再燃しているのは間違いないが、プレドニンをどこまで戻すか迷った。15mg/日にすれば間違いなく改善すると思うが、炎症反応を根拠にすれば入院時ほどではない(普通に歩行している)。

 プレドニン10mg/日の最小限の増量で2週間経過をみることにして、1週間の経過で良くならない時は1週間後に受診してもらうことにした。

 

 今日は最近では珍しく、保健所依頼の新型コロナのPCR検査がなかった。首都圏でも当県でも発生数は減少しているので、それを反映しているのだろう。

 

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