なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

術後だけの問題ではないか

2021年09月04日 | Weblog

 木曜日の当直の時に、43歳男性が発熱で受診した。最近はまず電話で受診の相談をしてからになるが、母親が息子を車に乗せて直接病院に来ていた。

 その日からの発熱で、発熱以外の症状はなかった。時間外なので、新型コロナウイルスの検査は抗原検査を提出した。陰性ということで、アセトアミノフェンで経過をみてもらうのもあるが、この方は基礎疾患があった。

 もともとダウン症候群で精神発達遅滞がある。精巣腫瘍で5年前に当院の泌尿器科から大学病院に紹介されていた。精巣摘出術が行われて、その後3年前に左肺転移で肺切除も受けていた。さらには脳転移でも治療を受けたそうだ。

 血液検査で白血球10000・CRP8.8と炎症反応の上昇があり、細菌感染症を示唆していた。尿検査は異常がなかった。肺炎が疑われる。

 胸部X線を見ると、左肺は全摘らしい。それでも術後ならば健側の右肺が拡張すると思うが、左肺に圧排されている。胸部CTを行うと、左肺は嚢胞性の病変があり、単なる術後変化ではないようだ。 

 腫瘍が再発再燃しているのか、細菌感染を併発しているのか、まったくわからない。大学病院紹介後の当院受診はないので、比べる画像はない。

 大学病院の外来予約が翌週に入っていたが、早めに受診できるよう翌朝に直接大学病院に電話相談するように母親に伝えた。診療情報提供書とCDに画像を入れてお渡しした。

 発熱があるので、大学病院から当院に問い合わせが来た時は、診療情報提供書をFAXすることにした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする