ネットニュースのaera dotに、新型コロナウイルスの感染経路のことが載っていた。
昨年春に県内のコロナ対策の主要病院長会議があって、当時の院長からいっしょに出ろと言われて出ていた。
話をされた押谷仁先生は、WHOでSARSの仕事をされたこともあるそうだ。新型コロナの感染経路が飛沫感染だけなのかという話をして、インフルエンザも飛沫感染では説明がつかない、と言われた。
当時、新型コロナは飛沫感染・接触感染と言われていた。基本的にはサージカルマスクの対応でよいとなっていた。吸引や挿管などの処置をする時はエアロゾル(飛沫核)が発生するので、N95マスクを要すると言っていた。
飛沫と飛沫核にはっきり分かれるとも思えないので、何だか変だとは思っていた。
西村秀一先生の本を読んで、疑問がすっきりした。飛沫と飛沫核にはっきり分かれるものではなく、唾液の量によって、飛沫からだんだん含む唾液量が減っていって、ほぼ純粋な飛沫核(ウイルスだけ)まで連続的に変化しているそうだ。
目の前にいるのでなければ、重い飛沫を吸引するのは、クリーナー並みの吸引力が必要で、飛沫を吸い込むのはかえって難しいという。実際は、空中に浮遊する唾液量の少ないエアロゾル(飛沫核)を吸い込んで感染する。
呼吸をしているだけでも、話をしても、歌を歌っても、エアロゾルは発生する。それを吸い込んで感染するのだった。冬に普通に呼吸をしているだけでも白い息が自分の周りに出るが、ウイルスに感染していれば、その中にウイルスがいる(活性のある、つまり感染力のある生きたウイルスは少ないそうだが)。
WHOは昨年、「空気感染の可能性も否定できない」となった。そして今年は「ウイルスの含まれたエアロゾル(飛沫核)や飛沫を吸い込んだり、それらが目や鼻、口に直接は入ったりして感染する」となった。(目からは感染しないらしいが)
感染を防止するには、不織布マスク(サージカルマスク)をしっかりつけることと、換気することしかない、ということだった。(N95マスクをずっと付けるのは無理)
ひとりで他のお客さんと離れて座り、しゃべらずに食べる「孤独のグルメ」方式プラス換気が良好ならば、遅い時間に飲食しても何も問題がない。ないが、やはりそうはできず、会話して騒いで大声を出してしまう。人間だもの、なのだった。
空気感染する病原体として、これまでは結核・麻疹・水痘の3つを上げるのが正解だった。新型コロナの感染力は水痘と同様なので、この問題は使えない。そもそも呼吸器ウイルスに関しては、全部空気感染で、感染力の程度の違いだけなのだろう。