なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌、癌性心膜炎

2023年01月14日 | Weblog

 木曜日に呼吸器外来に来てもらっている先生(大学病院から)から、こんな患者さんがいきなり受診して、といわれた。

 患者さんは76歳女性で、2年前に市の健診で胸部異常影をされた。がんセンターを受診して、肺癌と診断されていた。手術予定で進んでいたが、経済的な理由で治療を受けなかったそうだ。(本人と夫の年金で一家6人が生活しているという)

 今回は昨年末から咳と呼吸困難感が進行していた。(受診時の酸素飽和度は96%(室内気)で低酸素ではない)胸部X線で右上葉の腫瘍と心拡大があった。

 胸部CTで見ると、右上葉に腫瘍が広がっていて、両側胸水貯留がある。そして、心嚢液貯留があった。癌性胸膜炎・癌性心膜炎のようだ。

 心嚢液貯留は急激ではなさそうだが、呼吸器科医のいない当院で最初から引き受けるのも躊躇われる。もう1回専門医の診断とできる範囲で治療を受けて(あるいは治療できないと診断されて)、その後当院で引き受けたい。

 来てもらっている先生は地域の基幹病院にも行っているので、そちらの呼吸器科医と相談されては、とお答えした。その日は午前中は外来・入院で問題のある患者さんを診て、午後は市内のコロナワクチン接種会場での問診へ急いで出かけた。

 

 翌金曜日に、看護師さんから報告があり、結局最初に診断したがんセンターに紹介となったのだった。そしてがんセンターでコロナのPCR検査をしたところ陽性、という申し訳ない結果となった。(発熱はなかった)

 すでに当院で診察された先生にも、コロナPCR陽性は連絡していた(定義上は濃厚接触扱いにはならないが)。がんセンターもコロナの病棟はあるので、そちらに入院したのだろう。療養期間解除後の転院依頼を受けることにした。

 

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