11月26日に記載した気胸の患者さんのその後。
地域の基幹病院で気胸を2回繰り返して、胸腔ドレーン挿入で回復していた。基礎疾患として重度の肺気腫がある。リハビリ目的で当院に転院してきたが、3度目の気胸を来して、基幹病院にまた転院となったという経緯だった。
その後、またリハビリ転院(もはや施設待ちの転院だが)の依頼が来たと、担当した若い先生が言っていた。今回は胸膜癒着術を行ったそうだが、50%グルコースを使用していた。当院で(また当方も)50%グルコースを使用したことはなかった。
倉原優先生によると、気胸の場合は自己血か50%グルコースを使用するそうだ。タルク、ピシバニールは癌性胸膜炎に使用される。テトラサイクリン系抗菌薬(ミノマイシン)は癌性胸膜炎、気胸で使用されるが、胸膜炎が強く、ファーストラインにはならない。
文献によると、50%グルコース200ml+1%キシロカイン10mlを胸腔内に注入して、2時間胸腔ドレーンをクランプして体位交換(15分おきに4方向)をおこなう。気漏が多い場合はクランプをせずドレーンを体より高い位置に固定して空気のみを排出する。2時間後にドレーンを開放する。
一過性に血糖値が上昇することはある。胸膜痛はあるが、他の薬剤に比べると少ないらしい。50%グルコース100mlくらいでもいいかもと倉原先生はコメントしていた。