なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性胆嚢炎・胆嚢結石

2023年01月05日 | Weblog

 12月27日に発熱の原因を検索した87歳男性は、急性胆嚢炎・胆嚢結石だった。

 

 11月初めにCOVID-19で感染病棟に入院していた。COVID-19肺炎があったが、レムデシビル点滴静注などを行って比較的順調に軽快していた。自宅で発熱した際に、転倒していた。

 認知力低下があるためか、強い疼痛は訴えいなかった。隔離解除して一般病棟に転棟してからX線で確認すると、左腓骨遠位端骨折があった。整形外科でギプス固定を行って、1か月後に固定を外したところだった。

 

 発熱の原因検索を行うと、肺炎はなく、尿路感染症も否定的だった。CTで腫大して壁肥厚を認める胆嚢内に結石があった。胆嚢周囲の脂肪織に炎症像を認めた。

 自覚的には右季肋部の重苦感があるようだが、訊くと痛くないと言っていた。病棟看護師さんの話では体位交換の時に痛がりますということだった。血液検査で白血球10100・CRP30.6と予想以上に炎症反応が上昇していた。

 急性胆嚢炎は外科疾患だが、当院は外科常勤医は不在で手術はできない。基幹病院では、前日に院内でのコロナクラスター発生で受け入れ制限という連絡が入っていた。

 時期的にまずいが、まずは保存的に抗菌薬で経過をみて、増悪する時に相談することにした。自覚症状は同程度で、37℃台の発熱は続いた。12月30日は白血球9300・CRP24.5と若干の改善?。

 不安なまま抗菌薬継続として、結局1月4日まで引っ張ってしまった。自覚症状と発熱は同程度で、白血球7100・CRP11.1と検査上は軽減していた。

 CTを再検すると、胆嚢の画像所見は同じだった。外科外来に来てもらっている先生(大学病院から)に相談すると、手術かPTGBDか外科処置は必要だろうという。(慢性化しつつあると、胆嚢摘出できないかもしれないとも言っていた)

 現状寝たきり状態で、もともとの糖尿病・糖尿病腎症に加えて、貧血(腎性)と低蛋白血症もあり、条件は良くない。基幹病院外科に連絡して、その点も伝えたが、診てもらえることになった。

 結局保存的に診るようにと言われるかもしれないと思ったが、そのまま転院になった。 

 

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