なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

エアロゾル感染

2023年01月08日 | Weblog

 呼吸器ジャーナル2022年Vol.70 No.3は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のすべて」だった。

 特集「感染様式から考えるCOVID-19の特徴」で小坂健先生がエアロゾル感染について記載されている。「はじめにー従来の飛沫感染・空気感染(飛沫核感染)という60年前の説明からの脱却」から、「エアロゾル感染が主たる感染経路」と述べている。

 WHOは2021年4月から、米国CDCは、「エアロゾルの吸入がSARS-CoV-2を拡大する主要なモード」と認めた。日本の新型コロナウイルス感染症「診療の手引き」も第6.0版(2021年11月)から「飛沫・エアロゾルの吸入が主要な感染経路」としている。

 インフルエンザもRSウイルスも、呼吸器ウイルスは同じ機序で感染する。

 

 日本エアロゾル学会の記載は、「気体中に浮遊する微小な液体または個体の粒子と周囲の期待の混合体をエアロゾルと呼ぶ。粒径についていえば、分子やイオンとほぼ等しい0.001μm程度から花粉のような100μmまで約5桁にわたる広い範囲が対象」となっている。

 エアロゾルと飛沫の区別は、従来の5μmではなく100μmに更新することが提案されている。100μmを越える飛沫は、1m以内に落ちてしまう。100μm以下のエアロゾルが空中に浮遊して移動していく。

 エアロゾルは飛沫よりも数やウイルス量がはるかに多いということだ。エアロゾル化したSARS-CoV-2の半減期は1~3時間。

 (図の「水滴」とあるのは「飛沫Droplets」のこと)

 

No.205 新型コロナウィルス感染症の空気感染説

 

 COVID-19のCT画像が見たくて購入したが、4ページだけで画像も少なかった。残念。画像は2021年1月の別冊呼吸器ジャーナルの「COVID-19の病態・診断・治療」の方が詳しかった。

 

 

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