なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

12月31日の前胸部痛

2023年01月04日 | Weblog

 年末年始は、内科2名(当方も)は日直1回と当直1回、内科1名(若い女性医師)は日直1回、消化器科医は日直2回で、それ以外の4名は当直1回だった(外部医師もちょっと入る)。

 12月31日の当直は皮膚科医が希望で入っていた(家庭の事情)。午後8時ごろに50歳代の男性が、家族と直接病院に来たそうだ。(最近は病院で対応できる疾患が限られるので、電話で相談してからになっている)

 2日くらい前から前胸部がもやもやした感じがあったそうだ。その日の夕方から明らかな前胸部痛が発症して、症状が続くので病院にやってきたのだった。

 受診扱いにしなかったので記録は残っていない。看護師さんが血圧と酸素飽和度を測定したが、正常域だった。急性心筋梗塞疑いとして、地域の基幹病院に電話すると、顔見知りの呼吸器内科医が出た。

 どうぞ来てくださいと言われて、そのまま家族の車で向かわせたという経緯だった。

 

 当院は循環器科があったり、なかったりで経過しているが、2年前に消滅した。ある時でも時間外の緊急心カテはほとんどしていなかった。現在は全く対応できないので、電話で突然の前胸部痛といわれれば、基幹病院に連絡するように伝えている。

 

 皮膚科医にどうすればよかったですか、と訊かれた。心電図を取ってST上昇を確認してから救急搬送にします、とお答えした。家族の車で向かって途中で心室細動などになれば、病院の責任になる。

 可能なら医師同乗が好ましいが、病院が医師不在になってしまうので難しい。(以前は医師同乗時に代わりに病院に来てもらう医師を決めていたが、今はない)心室細動時は救急隊で対応してもらうしかない(AED対応だからできる)。

 

 心筋梗塞以外の何かだった可能性は、とも訊かれた。酸素飽和度が正常域だったので、肺血栓塞栓症(ある程度重症)や緊張性気胸ではない。大動脈解離や食道破裂でもなさそうで、やはり急性心筋梗塞でしょう、と返答した。

 

 寺沢秀一先生によれば、患者さんが病院の敷地内に入った時から病院の責任になるそうだ。

 

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