なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

救急搬入事情

2023年01月07日 | Weblog

 木曜日の当直は腎臓内科の若い先生だった。透析担当だが、一般内科も診ている。病院経営にも関心があり、救急も積極的に受けている。

 下血の82歳男性の搬入依頼があり、現在は出血していないということで受けていた。当院は消化器科医の体調不良と内視鏡検査担当看護師の呼び出し体制がとれないので、時間外の緊急内視鏡は現状できない。

 救急隊が救急搬入を要請しても受けれ入れが難しく、当院が11件目の問い合わせだった。居住地は当院の診療圏ではない。

 下血と表現していたのでわかりにくいが、「オムツをはずすと凝血塊があり、診察中にも新鮮血の下血が出た」と記載しているので、血便hematocheziaだった。

 2日前から血便が断続的にあった。血圧は106/83mmHgでショックではない。血液検査ではHb11.5g/dlとまだ緊急性のある値ではなかった。腹部単純CTでは大腸内の便が目立つが、大腸癌・虚血性腸炎・憩室出血などの所見は指摘できない。

 出血が続いているということで、地域の基幹病院に連絡したところ、受けてもらえたので搬送していた。午後7時半くらいなので、消化器内科医はまだ院内にいたかもしれない。

 

 翌日午前2時過ぎに、市内の83歳男性が歩行困難で救急搬入された。脳梗塞の既往があり、時々転倒していたようだ。前日にも転倒して整形外科クリニックを受診していた。骨折はないといわれていた(歩行はできていた)。

 急性硬膜下血腫が疑われた。頭部CTで確かに硬膜下血腫があるが、慢性+急性の所見だった。脳の圧排があり、緊急性がある。(朝まで待てないことはないか)

 脳外科のある病院を当たったが、地域の基幹病院は患者対応中でだめ、次に近い脳疾患中心の総合病院は脳外科の当直がいないのでだめ、ということだった。3件目の県庁所在地にある県内有数の市立病院が受けてくれて搬送となった。

 そこがだめなら医療センターに、そこもだめなら大学病院にと、次々に連絡するつもりだったそうだ。

 

コメント
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