昨日65歳女性が眼科で白内障手術を受けるために入院した。昼から心窩部不快感があり、嘔吐したそうだ。眼科医から胆嚢結石の既往のある女性が入院しているが、手術に支障ありませんかと訊かれた。外来で糖尿病の治療を担当している方だった。症状はと訊くと、今は特にないと言われたので、無症状胆石は特に問題ありませんと答えた。
病院からの帰りに、高速道路の渋滞にはまっていると、病棟から電話が来た。眼科で入院しているその女性が心窩部痛があり、眼科の先生からロキソニン内服の指示をもらったが、内服直後に嘔吐してしまった。どうするか内科で指示をもらうようにと言われて、看護師さんが連絡してきたのだった。発熱はないという。点滴の指示とボルタレン坐薬を使用すろよう指示した。アセリオ点滴静注の方がよかったかと思ったが、その後腹痛は軽快した。明日(つまり今日)腹部エコーを再検して、再評価する予定とした。
朝に病室に行くと自発痛は治まっているというが、明らかに心窩部から右季肋部に圧痛がある。Murphy徴候陽性だ。早朝には発熱がなかったが、37℃の発熱が出てきていた。腹部エコー・点滴・採血のオーダーを入れていると、腹痛が出てきましたと報告がきた。腹部エコーでは3cmの胆嚢結石があり、胆嚢壁肥厚がある。白血球数20000(この方は喫煙者でふだんも10000前後)、CRP4.6だった。肝機能検査は異常がない。腹部造影CTを行うと、胆嚢壁は全周性にかなり肥厚して、周囲の脂肪織に炎症像があり、肝床部にも炎症像がある。これは保存的には難しそうだ。外科の新患担当医(昨日も頼んだ先生)に相談した。胆石性急性胆嚢炎として早急な手術が必要と判断され、眼科から外科転科というあまりない転科になった。明日ラパ胆の予定となった。
4年前に一過性の心窩部痛があり、腹部エコーと上部消化管内視鏡検査を行った。胆嚢結石による疼痛だったと判断された。されたが、その後腹痛がないので、手術はしたくないと言って、そのまま経過観察となっていたのだった。白内障手術の予定で入院し、胆嚢炎になるというのは、タイミングかいいのか悪いのか。