アレルギー性紫斑病で入院した87歳男性は、ステロイド投与で紫斑自体は消失して、腹痛もなくなった。上昇していたDダイマーは低下したが、正常域にはなっていない。ただ、当初は尿蛋白・尿潜血陽性だけだったが、血清クレアチニンが上昇した。血清アルブミンも低下して、ネフローゼ症候群相当だ。今は紫斑病性腎炎の患者さんとなった。
もともと糖尿病があり、DPP4阻害薬+SU薬少量で治療していたが、ステロイド投与後は食前血糖が200~300mg/dlとなって、インスリン強化療法を開始している。食前血糖120~180mg/dlなので、もう少し調整が必要だ。
血清クレアチニンが上昇した3日後の検査で、クレアチニン値が少し改善してきた。ステロイドの減量はまだ見合わせている。血糖コントロールをしながら、ステロイドとジピリダモールで頑張るしなかい。
先月から始まった地域包括ケア病棟(正確にはまだ予行演習)は、患者数がなかなか増えなかったが、やっと患者数確保ができるようになってきた。基本的に直接の入院ではなく、一般病棟からの転棟で運営していく。少し療養してから自宅退院する患者さんや、施設待ち(住所が施設になるので自宅退院扱い)の患者さんが主になる。60日以内に退院できれば何でもいいので、DNRとなった癌終末期でもいいのだという(死亡で自宅退院だから)。糖尿病教育入院の患者さんを、1週間一般病棟で診たあとに転棟させるのもいい適応だった。
医師確保のため奮闘している院長先生は大変だ。挨拶とお願いに行った教授に、邪見に扱われたり嫌味を言われてストレスが溜まっているようだ。愚痴を聞いたり、そのうち良い方向に行きますよと慰めたりしている。根拠は希薄だが、多分少しずつ良くなるはず。