なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃癌・癌性腹膜炎

2017年01月21日 | Weblog

 昨年末にがんセンターに紹介した70歳代前半の男性が、金曜日に転院してきた。腹腔内の起源不明の腫瘤があり、腹膜播種からの腫瘤形成を疑った。原発巣の診断がつかないうちに急変する可能性と、家族から最善の治療を受けさせたいと希望されたので、そのままがんセンター消化器内科に紹介した。年末ギリギリに外来を受診して、結局年明けの入院予約になったという返事が来ていた。

 その後がんセンターで精査して、原発巣は普通に胃癌だった。腹水細胞診でも腺癌が検出されて、胃癌・癌性腹膜炎と診断された。抗癌剤治療は無理と判断されて、緩和ケアのみとなったそうだ。がんセンターの緩和医療科への転科を勧められたが、地元の当院を希望して戻ってきた。前々日に腹水を2L穿刺液液している。

 家族に予後はどのくらいと言われたか伺うと、数か月と言われたそうだ。1か月から3か月で半年は難しいというのが常識的な判断だろう。鎮痛薬としてはNSAIDのみ処方されていた。とにかく家族の希望は苦しまないようにということだった。希望に沿うように治療して、最終的にはDNRの方針で了解された。できるだけ腹腔穿刺をしないで経過をみられるといいが、どうなるか。大津流のステロイドを開始した。

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からだ全部が痛い~リウマチ性多発痛症?

2017年01月20日 | Weblog

 89歳男性が10日前からからだ全体が痛くて、動けなくなり、食事もとれないと救急搬入された。それまで家庭内では自力歩行できていたそうだ。とにかく全部痛いというので、ひとつずつ確認することにした。

 頭痛はない。胸痛はない。最初腹部を押すと痛いと言っていたが、何度も繰り返して確認すると腹痛はなかった。膝・足・肘・手の関節痛はない。両手はなんとか上げられて、痛いかと訊いても痛くないという。下肢も横臥した状態で少し上げたが、痛くはないという。肩・上腕・大腿に把握痛があるとは言えない。

 短期間での体動困難からリウマチ性多発筋痛症(PMR)を考えたが、診察所見がらは何とも言えない。発熱はなく、明らかな感染症は指摘できない。炎症反応は上昇していた(白血球数9000、CRP9)。凝固系の異常が軽度にあった。

 黒い便汁が出るというが、、便自体は普通便だった。貧血もない。直腸指診をすうと肛門痛がひどく、出血してくる。患者さんも痔核があるという。外科医に来てもらったが、痔核があって出血性だが、普通に坐薬を入れて経過を見るくらいだと言われた。CTでみたが、明らかな大腸癌は指摘できず、肛門周囲膿瘍でもない。腎前性と思われる腎障害が軽度にある。

 入院して点滴をしながら、PMRとしてプレドニン少量で経過をみることにした。血沈・抗CCP抗体・抗核抗体などは週明けに提出する。

 

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インフルエンザ後の肺炎

2017年01月19日 | Weblog

 30歳代後半の男性が両親に連れられて昼に内科外来を受診した。5日前の先週の土曜日から高熱があり、月曜日に内科新患(大学からの応援医師担当)を受診していた。インフルエンザ迅速試験でA型陽性で、タミフル内服を処方していた。いったん解熱したが、その後から食欲が低下して意識レベルも低下していた。

 四肢末梢のチアノーゼを呈して、外来の看護師さんがすぐに救急室にストレッチャーで運んだ。けいれんしてますと連絡が来て、行ってみると確かにけいれん様だが、すぐに治まってしゃべり始めた。その時発熱はなかったが、悪寒戦慄だったのだろうか。

 顔を見ると特徴的な顔貌だった。ダウン症候群ですか、と両親に訊くと、そうだという。循環器科外来に通院していた(処方は強心剤のみ)。肺高血圧症を呈していると言われていたそうだ。普段の胸部X線も心拡大があって、肺血管陰影が目立つようた。酸素飽和度が低いと外来で言われたことがあるらしい。本来は在宅酸素の適応だったのかもしれない(担当医は開業して退職)。熱心に検査した様子はないので、検査してもという気持ちだったのか。

 酸素飽和度が低く、段階的に酸素量を上げて、10L/分リザーバー付きになってしまった。胸部X線・CTで浸潤影とスリガラス様陰影が広がっていた。気管支と伴走する肺動脈が拡張していた。血液濃縮で脱水症にもなっている。腎前性腎不全もあった。

 治療だけでも大変だが、検査も処置も暴れるのでまずそこから大変だった。ずっと両親がストレッチャーの左右から押さえていた。高次病院呼吸器科に搬送すべきだが、両親は希望せず、当院入院で治療することになった。

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ビタミンB12欠乏性貧血にビタミンB12経口投与

2017年01月18日 | Weblog

 90歳男性が高血圧症・ラクナ梗塞後で内科外来に通院していた。一人暮らしで、娘さん(とっても、60歳代)が通いで世話をしていた。病院受診もひとりでは来れないので、連れてきていた。昨年高熱で食事摂取できなくなって受診した。肺炎・尿路感染は否定的で、肝機能障害を伴うことから、胆道感染と判断された。

 胆石や胆道癌は指摘できなかったが、胃切除術後なので、胃切除術後の後遺症としての胆道感染と推定された。抗菌薬投与で順調に警戒治癒した。入院すると認知症としての不穏が顕在化して、とても一人暮らしには戻せなかった。介護保険申請から始まって、施設入所待ちになった。ちょうど地域包括ケア病棟が立ち上がったので、そちらに回した。自力歩行できるので、ベットサイドにセンサーマットを置いていた。病棟で毎日会っても、「お久しぶりです」と言われる。

 外来の検査で貧血を認めて、胃切除術後としての鉄欠乏性貧血とビタミンB12欠乏性貧血だった。小球性(鉄)+大球性(ビタミンb12)=正球性という典型的な症例だった。鉄剤内服を断続的にしていて、ビタミンB12は定期的は筋注にしていた。

 このたびめでたく施設入所が決まった。施設での処方になるので、その旨を診療情報提供書に記載した。こまめな血液検査や筋注は施設の負担になるし、嘱託医は引退した高齢の先生なので、そのまま処方継続すれば悪化しない無難な処方にした。 鉄剤は少なめ量で継続にして、ビタミンB12は経口投与とした。

 エーザイで出している小冊子に、ビタミンb12経口投与の記事があった。 「ビタミンB12の非経口投与(筋注)が原則とされてきました。しかし筋注には疼痛や通院などの患者負担が伴う上に、出血傾向のある例などでは、軽視できない合併症につながる可能性もあり得ます。また経口投与に比べれば、医療スタッフの負担も大きくなります。ビタミンB12は内因子との結合がなくても、単体で受動的にある程度吸収され、総吸収量の1~2%がこの受動的吸収によるもので、この吸収は内因子欠乏状態でも保たれています。そこで経口投与でB12を補充するという試みが行われており、現在までに経口投与の効果を示唆する複数の臨床成績が出されています。一般的に投与量は1000〜2000㎍/日が推奨されています。」 なるほど。

 

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脳梗塞

2017年01月17日 | Weblog

 一昨日の日曜日に86歳女性が左上肢の脱力で救急搬入された。数日目から施設にショートステイで入所していた。認知症で通院しているそうだ。朝食の時に左上肢の脱力があるのに、施設職員が気づいて救急要請した。意識は清明で、軽度の不全麻痺だった。自宅にいる時だったら、自宅の車で連れてきたのかもしれない。

 その場での会話は十分成り立つ方だった。搬入された時は、改善していて、ご本人も良くなったという。バイタルは安定していて、心電図は正常洞調律で心房細動はなかった。ラクナ梗塞があるか、画像では出ないかもしれないと予想した。出血ではないのだろうと思ったが、頭部CTから行った。やはり出血はなかった。ラクナ梗塞が出たが、これはきっと陳旧性と思われ、新規の梗塞巣の有無は頭部MRIで確認することにした。

 CTで描出された部位が拡散強調画像で描出されて、それが今回の病巣だった。時間経過としては、夜間に発症していたのだろう。MRAでみると、右中大脳動脈(MCA)が途絶している。梗塞は分水嶺梗塞ととるべきか、単に末梢即に起きたととるべきか。その時は麻痺は軽度だが、MCA領域が一気に梗塞になる可能性も考えられた。慢性の変化で血流がうまく回ってきているのだろうか。

 今日で3日目だが、ほとんど麻痺がないくらいになっていた。嚥下障害もなく、食欲も良くて元気にしている。抗血小板薬とエダラボンで経過をみている。このまま悪化しないで過ごせるといいが、どうなるか。

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肺炎球菌肺炎+気管支拡張症

2017年01月16日 | Weblog

 月曜日の内科再来はなるべく少ない人数にしているが、今日は年末年始の分が加わって、人数が多かった。昨日は日直の後に、(内科当番なので)病院に泊まっていたが、幸いに内科系の入院はなかった。

 先週の金曜日に内科クリニックから90歳女性が肺炎で紹介されてきた。3日前から食欲が低下して、その日は38℃の発熱があった。咳・痰は少しだけだった。2年前に当院神経内科外来を受診して、認知症の処方を受けているが、症状が変わりないので中断していた。

 その場での会話は問題なかったが、入院すると夜間せん妄が危惧された。白血球数23000、CRP27となかなかの高値だった。胸部X線で右上葉にクリニックで指摘された浸潤影があるが、その他にも斑状影があり、特に右下肺野が汚い。

 胸部CTで確認すると、気管支拡張症があった。これまで肺炎で入院した既往はない。よく無事で過ごしていたものだ。両側肺野に斑状影があった。尿中肺炎球菌莢膜抗原が陽性だった。肺炎球菌ワクチンは受けていない。今日受診時の喀痰培養の結果が出たが、きっと唾液だけで菌は出ないかと思っていたが、肺炎球菌が単独で検出されていた。感受性は良好(PSSP)。

 治療はセフトリアキソンとレボフロキサシン併用にしていた。入院後は解熱傾向で微熱になっていた。食欲はまだあまりないようだ。入院後特に問題行動はない。血液検査も改善していた。2-3日受診が遅れると、きっと一気に重症になったのだろう。治ったら、肺炎球菌ワクチンをしよう。

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急性白血病

2017年01月15日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。全国的に大雪で、病院に行くのが大変かと思ったが、幸いに通行止めはなかった。路面にずっと雪があって、特に病院は高台にあるので、登れるか心配だったが、何とか病院に到着した。

 整形外科の開業医から50歳代半ばの女性を紹介したいと電話が来た。年明けから、頸部痛と足関節痛で数回受診していたそうだ。土曜日の血液検査で白血球数が20万台で、芽球が90%以上(検査会社で鏡検を追加していた)という結果だった。血清カリウム9.5という値で驚いたらしい。検査会社から連絡が来て、患者さんを急遽呼び出したそうだ。

 本当にそうなら患者さんは致死的不整脈で亡くなっているはずだが、そうではなかった。溶血ですかと訊いたが、そういうコメントは検査結果に付記していない。とにかく来てもらうことにした。

 付き添いもなく、ひとりで車を運転して来た。意識清明でバイタルも頻脈気味以外は問題なかった。すぐに心電図をとったが、異常なしだった。血液検査をすると、血清カリウム3.6と出た(芍薬甘草湯が処方されていて、むしろ低下傾向)。BUNと血清クレアチニンが軽度に上昇していて、尿酸値が高い。年末から食欲があまりないそうだが、ある程度は食べて水分もとれている。尿量もそれなりに出ているという。

 白血球数はやはり20万以上あり、当院の末梢血自動測定ではリンパ球としてカウントされて90%以上あった。合わせて考えるとリンパ芽球と判断されるので、急性リンパ性白血病疑いだった(たぶん間違いない)。正確さは欠くが計算上正常な白血球数は数千はある。Hb9g/dlで血小板数は9万だった。

 結果が相当に悪ければ、大学病院救急部に連絡してすぐに送るつもりでいた。カリウム値が問題なければ、早急に専門医に紹介になるが、今日というわけにはいかないだろう。血液内科のある病院のうち、明日受診してすぐに入院治療してもらえる病院を選択した。今日は自宅静養にして、明日必ず家族といっしょうに受診するようお話して紹介状を持たせた。

(後日記) 1月20日に受診の返事が来ていた。急性リンパ性白血病で入院したとあった。

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急性上腸間膜動脈閉塞症

2017年01月14日 | Weblog

 今週初めに93歳女性が内科医院からの紹介で救急搬入された。腹痛を訴えて一過性に意識消失したそうだ。搬入時は意識は回復していたが、腹痛が続いていた。

 救急当番の先生(外科)が腹部造影CTを施行して、入院にしていた。医局のコンピュータ画面で画像を見ていると、上腸間膜動脈が閉塞していた。搬入時の心電図を確認すると心房細動で、内科医院の処方に抗凝固薬はなかった。Dダイマーも上昇している。入院後の治療をみると認識してないような気がしてきた。

 院内PHSで「あれは、上腸間膜動脈閉塞なんですか」と質問の形で訊いてみた。「腸管はそれなりに造影されていて」ということだったが、その後折り返し電話がきて、「そのようです」ということだった。

 その日は当院の血管外科がY字グラフトの大手術をしていて、その時点でまだ手術中だった。手術中の先生に相談して決めるのだろうと思った。翌日、知り合いの高次病院の心臓血管外科に患者さんを転送した旨の報告があった。血栓除去したそうだ。血管の3次元構築の指示をしていたので想定していたはずだが、うっかり?。ふだんは、こちらから腹部CTのコンサルトをして教えてもらっている。上腸間膜動脈閉塞の画像は久しぶりに見た。

 

 

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非結核性抗酸菌症

2017年01月13日 | Weblog

 昨日の午後に地域の基幹病院呼吸器科の先生から電話が来た。非結核性抗酸菌症(NTM)で外来通院している80歳男性が、数日目から全く食べられなくなったそうだ。入院させるベットがないので、当院に入院させてほしいということだった。

 昨日の午前中に、当院からそちらの病院にCPFE(IPF+COPD)の患者さんが転院したところだった(ベット待ちだった)。そういう経緯もあり、引き受けた。紹介状には、しだいに増悪していく旨を家族にお話しています、とあった。特にその日は検査してないので、NTM自体の悪化と考えての紹介のようだ。実際骨と皮の痩せ細った患者さんだった。認知症がありそうなので、頭部CTを撮影すると、前頭葉の萎縮が目立った。

 家族の話では、それまで何とか食べていたそうだが、食事量や飲み込み(嚥下)は怪しい気がした。認知症からの嚥下障害を考えた。胸部CTでみると、大小の空洞があり、かなりの壊れ具合だ(destroyed lung)。右肺の胸水と左肺の浸潤影は、NTMというより誤嚥性肺炎(随伴性胸水か胸郭炎)なのかもしれない。NTMの治療薬は副作用で内服できず、かろうじて1種類だけ内服していたが、効果は期待できないだろう。

 まずは通常の認知症の患者さんの誤嚥性肺炎として治療してみることにした。胃切除術後で胃瘻はできない。

 94歳女性が内科クリニックの紹介で施設から救急搬送されてきた。年末に大腿骨頸部骨折をきたして、整形外科で手術を受けていた。食事摂取が進まなかったが、3日前に退院して施設に戻っていた。戻ってからも食事摂取できず、クリニック(嘱託医)で点滴をしていたが、血液検査で中等度以上の腎障害があり、紹介となった。高ナトリウム血症(170)もあった。たぶん転倒した時に起きた硬膜下血腫もあったが、手術するほどではない。

 家族にはできる範囲で治療してみるが、そのまま悪化する可能もあることをお話して入院とした。病棟の看護師さんから、(これまでの経緯から)何で先生が診るのと言われたが、まあ内科はこんなものだろう。

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紹介状

2017年01月12日 | Weblog

 前回の日曜日に44歳女性が右眼の疼痛・腫脹・充血で救急外来を受診した。前日からの症状で、圧痛があった。簡単に言うと、右眼が盛り上がって見えた。急性緑内障発作と思われた。

 日曜日で地域の眼科は当番医になっていない。当院の眼科(医師1名)はオンコール性にはなっていない。夜間休日の眼科・耳鼻咽喉科は基本的に大学病院紹介になる。どこか他の地域でないかと探すと、眼科当番医があったので、そちらに紹介した。

 今日返事が来ていて、眼圧は正常域で抗菌薬の点眼で症状は軽減しているそうだ。眼球運動に異常があり、眼科蜂窩織炎疑いとして、結局大学病院眼科に紹介したとあった。

 事務から紹介状の依頼が来ていますと言われた。3~4回めまいと過換気症候群で救急搬入されたり、救急外来を受診したりしている40歳代女性だった。内科クリニックに高血圧症と気管支喘息で通院していて、安定剤も出ていた。精神科病院受診を希望して連絡したところ、かかりつけのクリニックと何度か受診している当院からの紹介状をもってくるようにと言われたそうだ。

 めまいで紹介されて、当院の耳鼻咽喉科と神経内科(いずれ大学病院からの出張医)が診て、異常はなかった。ただ、軽度の知的障害(認定を受けている)とアルコールの問題もあるらしい。めまいで3日間入院した時に1回直接診たが、あとはカルテ記載を参考に、精神科宛ての紹介状を書いた。 

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