昨年末にがんセンターに紹介した70歳代前半の男性が、金曜日に転院してきた。腹腔内の起源不明の腫瘤があり、腹膜播種からの腫瘤形成を疑った。原発巣の診断がつかないうちに急変する可能性と、家族から最善の治療を受けさせたいと希望されたので、そのままがんセンター消化器内科に紹介した。年末ギリギリに外来を受診して、結局年明けの入院予約になったという返事が来ていた。
その後がんセンターで精査して、原発巣は普通に胃癌だった。腹水細胞診でも腺癌が検出されて、胃癌・癌性腹膜炎と診断された。抗癌剤治療は無理と判断されて、緩和ケアのみとなったそうだ。がんセンターの緩和医療科への転科を勧められたが、地元の当院を希望して戻ってきた。前々日に腹水を2L穿刺液液している。
家族に予後はどのくらいと言われたか伺うと、数か月と言われたそうだ。1か月から3か月で半年は難しいというのが常識的な判断だろう。鎮痛薬としてはNSAIDのみ処方されていた。とにかく家族の希望は苦しまないようにということだった。希望に沿うように治療して、最終的にはDNRの方針で了解された。できるだけ腹腔穿刺をしないで経過をみられるといいが、どうなるか。大津流のステロイドを開始した。