小岩の『世界』8月例会の報告
8月26日(木)、猛暑日、午後7時から、小岩の『世界』を読む会・8月例会がzoomで開かれました。参加は4名。
第一テーマ「危機のなかのミャンマー」根本敬
国軍の残酷さを強調しているのは大事なことなのだが、そのような国軍を生んでいる背景、またこれからの展望を示すような部分をもっと示してほしかった、という声。少数民族問題を抱えている困難。コソボやリビアやと同様に内戦になっていくのではという先の見えない見通し。(アフガンは、中村哲さんの「緑の大地」計画はどうなってしまいそうなのか?) ASEANの関与といっても、ASEAN諸国の現状は民主主義が確立しているというのにはほど遠い現状で。そして、日本は? アメリカに追随しない自主外交で貢献できるのか?
ミャンマー問題は、9月号にも続くので、引き続き考える、重い課題と受け止めました。国会前で日本の軍支援の中止を訴えるミャンマー人の姿を見るにつけ。
第二テーマ「縮減に向かう世界人口」原俊彦
人口減は良いことなのか、悪いことなのか? これまでは、人口減少は困った課題としてばかり取り上げられていたように思うが、8月号の諸論稿では、良いことのように書いてあるようだ。けれど、その変化の急激さが問題で、様々な「制度が追いつかない」という問題にぶつかるだろう。住宅問題などの話から、若年層の失業率、あるいは非正規雇用化、その格差で振り落とされたものは、家も結婚も出産も無理で、人口減に繋がっているという話へ。根本に横たわる「分配」の問題、資本主義の問題に関わらざるを得ないなど、このところ、資本主義が論じられます。
第三テーマ「個人通報制度が変えるこの国の人権状況」浅倉むつ子
詳しい、細かい?、法律、条約に関わる内容で、なかなか読み取るのが難しい。「女性差別撤廃条約」を活かすための「選択議定書」の批准を日本政府は拒んでいる(OECD諸国のなかでわずか五カ国)。そこに政府には譲りたくないものがあるのだろう。ここの突破が肝だという筆者の主張で、私はまるで知らなかった。それなのに、全国様々な自治体で「選択議定書」の批准を求める意見書が採択されているということ。小岩の江戸川区も、東久留米の隣の清瀬市も。へえ~、全国にこのことを分かって訴えて、そして意見書採択までこぎ着けている所がこんなにあるのだ。自分との落差を反省しました。
女性の地位に関して、世界の当たり前の水準に追いつこうという課題は、こんな状態なのだというわけですね。
小岩にしては健全に、11時過ぎに終了しました。
連載の最終回の「読書会という幸福」について話が出て、私たちの「世界」を読む会も、これがなければ、今のような読み方はしなかったな。九三五円の価値が、大きく増した、という、「世界」を読む会の意義を称える(自画自賛)の嬉しい話がありました。
9月は、生でやるか、zoomか、未定です。
zoomに、慣れきっている現状ですが。zoomが基本で、たまに生というのでもいいかな?
今回の共通テーマは、
○「危機のなかのミャンマー」 根本 敬
○「縮減に向かう世界人口」 原 俊彦
○「個人通報制度が変えるこの国の人権状況」 浅倉むつ子
でした。
8月号のお薦めは
■ 大塩 ・「カーボンプライシング」 有村俊秀
・「読書会という幸福 第20回」 向井和美
■ 片山 ・「但馬日記 第27回」 平田オリザ
■ 櫻井 ・「トラウマ、死の刻印、安楽死希求」 渡邉 琢
でした。
◎ 小岩の『世界』を読む会、9月例会 の予定
●日 時 9月16日(木) 午後7時
●場 所 南小岩8丁目21の8
小岩駅から徒歩約3分
zoom開催に変更する可能性あり。
●持ち物 雑誌『世界』9月号
○共通テーマ
・「ESG投資が変える社会」 水口 剛
・「戦後日本の主権と領土」 古関彰一
・「地域コミュニティと再生可能エネルギー」 山下英俊
・「辺境からみるミャンマー政変」 今村真央
● 連絡先 須山
suyaman51@mail.goo.ne.jp
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