小岩の『世界』8月例会の報告
9月16日(木)、午後7時より、小岩の『世界』を読む会がzoomで開催されました。4名の参加でした。
始まる前に、それぞれの住まいの地区での総選挙の様子などが交流されました。野党連合が進んでいる所もあれば、全党乱立のままになりそうだ、という所も。
第一テーマ・水口剛「ESG投資が変える社会」
ESG投資が有効に働くのか、投資はもともと他人のお金を損のないようにリターンを求めてするもので、どうだろうか、という疑問が出されました。株取引が成り立つ前提・背景の確保が問題になっていて、それが企業に行動規範を求めるようになっている、企業に対する半分「脅し」のようなものである、という説明。GPIFが世界最大の機関投資家で、その振る舞いが投資全体に影響を与えているということ。GPIFに関しては、その基金を投資に向けるということ自体に反対だ、本来そういうものではない、という意見。GPIFが投資するということはある意味で国民全体が投資家になるようなこと? 国民全体に株を持たせて株主として利益共同体として行こうとするのには反対だ。株は今の社会の問題である分断、格差の進行をもたらしているのだから。投資が格差を生み拡大しているのに、投資で格差を止めようとする。それは根本的解決への主な道としてはどうだろうか。難しいけれど、色々考えることになりました。
第二テーマ・古関彰一「戦後日本の主権と領土」
文章に所々、理解しにくい、説明が不十分なところがあって読むのか苦しかったという声。「主権」ということ。「領土主権」と「施政権」のこと。「力による安全保障」しか考えていない日本。外交という主権の主張の不足、など、10月号の豊下論文と併せて、安保の歴史を摑む課題として重要な文章だな、ということでした。
第三テーマ・山下英俊「地域コミュニティと再生可能エネルギー」
具体的な事例が列挙され、再生可能エネルギーを進めることの現段階を把握することはできましたが、あまり議論にはなりませんでした。
第四テーマ・今村真央「辺境からみるミャンマー政変」
国軍の性質、内実、成り立ち、経緯がわかる内容で、ミャンマーへの理解が進みました。内戦の泥沼化で大きな犠牲を出すことは避けたいのですが、その道ははっきりとは見えていません。外からどういうことをすべきかは難しいですが、軍事で煽るようなことは避けなければいけないし、国軍の力の支配の強化に繋がることはしない、というところでしょうか。事態の進展から目を離せないと話し合いました。
9月号のお薦めは
■ 片山 ・「パンデミックと大学」 田中優子
■ 櫻井 ・「私たちの人権はどこへ向かっているのか」
馬橋憲男
でした。
◎ 小岩の『世界』を読む会、10月例会 の予定
●日 時 10月21日(木) 午後7時
●zoomによるオンライン開催
※ 参加希望者は連絡下さい。
●持ち物 雑誌『世界』10月号
○共通テーマ
・「日米安保70年の本質」 豊下楢彦
・「気候崩壊と脱成長コミュニズム」 斎藤幸平
・「「五輪敗戦」のツケを払うのは誰か?」 上野千鶴子
・「首が〝へし折れる〟ほどの金メダルをあなたに」
高橋純子
・「可視化された日本の宿痾」 本間 龍
● 連絡先 須山
suyaman51@mail.goo.ne.jp
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