東久留米の『世界』2月例会の報告
東久留米の『世界』・ズームの部、2月例会は、2月9日(水)、3名の参加でした。
第一テーマ・寺西俊一「脱クルマ依存へ」
・宇沢弘文の『自動車の社会的費用』に改めて注目するという内容だった。宇沢は先見性があったのだな。
・ジェイコブズの四大原則とあるが、調べたら、第一「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」。第二「古い建物と新しい建物が混在すること」。第三「各区域は、二つ以上の機能を果たすこと」。第四「人口密度ができるだけ高いこと」。とあったが、面白く思った。
・寺西さんの主張は「脱成長」に近いなと思った。
・サスティナブル・ディベロプメントが、日本では持続可能な「発展」=「成長」的に捉えられているが、本来の趣旨は世代間の必要の充足の持続可能性の維持にある。と言っているのは、ヒントになった。
・「モビリティ」(移動性)から、「アクセンシビリティ」(接近性)へという発想は参考になった。
第二テーマ・飯田哲也「テスラ・ショック」
・脱クルマと言いながら、クルマの変革、「テスラ化」を評価して進む道としている。
・「EV化」、「自動運転」「ライドシェア」の三つの変革が進むとして、それが「ロボタクシー」で実現していると評価しているが、それでいいのか疑問だ。
・ドイツ政府の「未来のモビリティーのためのナショナルプラットフォーム」を評価して日本も戦略の検討を進めなければという意見だ。
・「テスラ化」の内容で、SUVや大型ピックアップトラックなどの生産を称えているのは、徒歩・自転車・公共交通優先の「モビリティの変革」と矛盾している。
・トヨタが日本を支えるくらいの産業であるから、今後の経済の行く末は政府は進んで対応を考えなければいけないのに、あまり見えない。
第三テーマ・今井博之「路上を子どもたちに返す」
・自分たちが子ども時代は、自由に道路で遊んでいた。クルマが子どもから道路を奪ったのだ。
・税金を注ぎ込んだ、全国に張り巡らされた道路網があって、トヨタは儲けることになっているのだ。
・クルマが社会に与えている影響を、路上で遊ぶ子どもという角度・視点から分からせてくれた。
・子どもだけでなく、地域社会そのものが、分断されることになっている。
・ボンエルフに近い取り組みは、吉祥寺周辺で目にする。クルマへの物理的な規制。
・日本で、住む人の本意のセミプラベートな領域としての町づくりを発想することは盛んではないなと思った。
・幹線道路と生活道路とで、速度制限などを仕分けることなら手を付けられるかな。
・住民の流動性が激しい状況は町づくりできにくくなるなと感じる。都会の町づくりの難しさの原因でもある。
2月号のその他のお勧めは
○ 巻 「認諾官僚たちに告ぐ。「ふざけるな」」 金平茂紀
○ 須山 「政権の賃上げ政策への違和感」 片山善博
「再審制度の改革は何故必要なのか」 鴨志田祐美
でした。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、3月例会のお知らせ
●日 時 3月9日(水) 午後7時
●zoomでのオンライン開催
参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
●持ち物 雑誌『世界』3月号
○共通テーマ
・「沖縄・半世紀の群像」 渡辺 豪
・「防衛費2%の無理と無駄」 文谷数重
・「町工場vs.公安警察」 青木 理
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
