練馬の『世界』を読む会・6月例会の報告
練馬の『世界』を読む会・6月例会が、6月20日(木)、午後1時より、光が丘図書館第一会議室で、7名の参加で行なわれました。
例によって、手作りの美味しいケーキとコーヒーにチョコレートで。
■ 今月のテーマは、
・髙山佳奈子「「セキュリティ・クライアランス」制度の何が問題か」
・長谷部恭男「存立危機事態の存立可能性」
・神里達博「「紅麹」サプリ事件の深層」
・中澤まゆみ「介護報酬引き下げで、訪問介護サービスはどうなる?」
の4本でした。
● 第一テーマ、・髙山佳奈子「「セキュリティ・クライアランス」制度の何が問題か」
「セキュリティ・クライアランス」制度は、立法事実がないのに、網羅的に網を被せるような内容で、恣意的に運用される危険なものだ。通産省などの一部の者の利権に絡んでいる。着々と進む戦争できる体制への一歩だ。
有識者会議というものがあって、そこには反対派も入れているが、最終報告には出てこない。隠れ蓑になっているが、市民との繋がりがあるものでなければ。
● 第二テーマ、・長谷部恭男「存立危機事態の存立可能性」
頭の体操になった。安保法制違憲訴訟仙台高裁判決は、見た目に反して、集団的自衛権の行使を限定解釈しているのではなく、全否定している。他国が攻撃されたのに、日本が直接攻撃されたのと同様の損害を被る事態に厳密に限定的に解釈するのなら違憲性が明白であるとは言えない。としているが、日本が直接攻撃されたのと同様の損害を被る事態は、現実にはあり得ないので、集団的自衛権を認めることは不可能だ、と。
アイスクリームを、外出先にいると同時に自宅にもいるという例外的な場合には、外出先でも食べて良いというように、ルールを変更した。というケースだと。
● 第三テーマ、・神里達博「「紅麹」サプリ事件の深層」
境港のグルコサミン製造会社の話が紹介された。グルコサミンはカニやエビの甲羅から採るタンパク質。食べても、効くか効かないか、効かないでしょう。要素還元主義批判、福岡伸一の「動的平衡」の話に。「機能性表示食品」という、アベノミクスの規制緩和=「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現」のアメリカの言うままが問題だ。
● 第四テーマ、・中澤まゆみ「介護報酬引き下げで、訪問介護サービスはどうなる?」
今回の介護報酬の改訂=引き下げは、今でも非常に困難な状態にあるのに、大ダメージを与えるだろう。人対人の、長い時間を掛けて成り立つ仕事なのに。
などと、話し合われました。
■ 今月号のその他のお勧め
・須山 「武器を手に取るアーティストを忘却してはならない」 藤井 光
◎ 練馬の『世界』を読む会、7月例会 の予定
●日 時 7月18日(木) 午後1時~4時
※ 第三木曜日が定例です。
●場 所 光が丘図書館・第一会議室
●持ち物 雑誌『世界』7月号
○共通テーマ
・「中東を揺るがす「影の戦争」」 溝渕正季
・「「先生=大変」までの20年」 武田砂鉄
・「「難民を受け入れる」ということ」 橋本直子
・「ボナエ・リテラエ 第20回(最終回)」森本あんり
● 連絡先 須山 suyaman50@gmail.com