東久留米の『世界』12月例会の報告
12月8日(水)に東久留米の『世界』を読む会がzoomで開催されました。いつもの4名の会でした。
第一テーマ 工藤律子「フィリピン 沈黙しないジャーナリストたち」
・フィリピンはマルコスの独裁政権を打ち倒したのだから、日本はフィリピンから学ぶことがあるだろう。
・「権力がどのようにして社会を支配しようとしているのかを見つめ」〔p.43〕とあるが、常に権力側の意図をアンテナを張り巡らせて感じ取ることが大事だと思った。
・選挙を有利にしようとするポスターだが、大きな農家では自民党のものばかりで日本の支配の力を感じる。
・自民党応援の読売新聞の読者が多いのを見るにつけ、日本の市民革命は厳しいなと感じる。
・フィリピンではSNSで「殺すぞ」と書き込まれても警察が動かないんだな、明らかな犯罪なのに。
などと意見が交わされましたが、ここで、話は「フィリピンパブ」についての討論?に横道にそれていきました?
第二テーマ 岡田正則「日本における学術と政治」
・現在の権力者が自分たちを批判しそうな学者を排除しようとした問題だ。
・「学問の自由」(憲法二三条)は、個人的な自由ではなく、「専門家の自律的な判断によってその範囲や方法が決められる自由」〔p.77〕なんだ。
・「窒息」〔p.83〕という強い言葉で危機感を伝えている。I can't breatheを思い出した。
・別の側の人の本もと思って櫻井よしこの『赤い日本』を読んだが、学術会議のことを「反日学術会議の利敵行為」と書いていた。櫻井よしこに任せたら、軍事費にいっぱいお金をつかう国ができそうだ。
・任命拒否は法律違反であって、情報開示を求めているので行政訴訟の方向にいくのだろうか。
・世論調査で国民の批判が弱いのがとても気になる。おそろしく感じる。その中で『世界』はよく抵抗している。
・日本学術会議はひるまずよく闘い続けていることには感心する。日本学術会議は日本の民主主義の先頭に立っている。そこには、研究者、学者の専門家としての自己責任感を感じる。
・『内閣調査室秘録』に、六〇年代に大学や学術会議を政府の思うようにするための工作が検討されている様子が書かれている。
・研究費の締め付けで軍事研究の方向へ進められようとしている。
・政権は「形式的任命」「選べない任命」というやり方を無視して、実質的な任命権があると主張している。
・人事権を行使して政府の思い通りにしたいという意向が働いている。そうしたいのなら、法律を変えてやるべきだ。
第三テーマ 小沢隆一「反憲法政治の転換を」
・「勝手に法解釈を変更」〔p.128〕するような政府のもとで暮らすなんて嫌になってしまう。
・税金を使ってやることの人事を現政権が勝手にやってよいんだというおごりがあると感じた。
・学術会議問題では、岸田政権も安倍の強い影響力を受けていることを感じる。
・集英社新書『「自由」の危機』は、『世界』と共に、がんばっている。
・学術会議がこのことで鍛えられていると感じる。
第四テーマ 板橋拓己「メルケルとは何者だったのか」
・メルケルは、自由、民主主義、人権を重んじていたので、日本のリーダーと違うな。メルケルは原発を止め、難民を受け入れる思い切った決断をしたのだ。
・メルケルは退任のセレモニーで若い頃聴いた女性パンクシンガーの曲を選んだ。『NINA HAGEN』。
今回の特徴は、参加者が思い思いに、本の紹介を次々にしたことです。
『サピエンス全史』、『サピエンス全史マンガ版』、『赤い日本』、『内閣調査室秘録』、『「自由」の危機』、『NINA HAGEN』(CD)、『戦争と罪責』、『消せない記憶』、『中国から帰った戦犯』、『戦争で死ぬということ』、『うしろめたさの人類学』、『くらしのアナキズム』
まあ、自由な討議が盛り上がったということです。
12月号のその他のお勧めは
○ 髙木さん 「ジェンダー平等へ教育に何ができるか」 阿久澤麻理子
でした。
最後に、読んでも内容を忘れてしまうことについて、
S「Mさん、Tさんのように読んだ内容をメモして忘れないようにね。」
M「寝ながら読むので、メモが取れないんだよ。」
T「スマホに録音の機能があるから、声で入力すれば。」
K「音声入力のメモ帳アプリを使えば、音声から文字化できるよ。」
というわけで、来月はスマホのアプリでどうなったか報告してもらましょう。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、2022年1月例会のお知らせ
●日 時 1月12日(水) 午後7時
●zoomでのオンライン開催
参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
●持ち物 雑誌『世界』1月号
○共通テーマ
・「脆くない社会へ」 藤井克徳
・「ケア/ジェンダー/民主主義」 岡野八代
・「ケアから社会を組み立てる」 村上靖彦
・「気候民主主義へ」 三上直之
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
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