『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

東久留米の『世界』を読む会・zoomの10月例会は、5名で。

2024-10-10 18:13:43 | 日記
東久留米の『世界』zoom・10月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・zoomの10月例会が、10月9日(水)、午後7時~、5名の参加で行なわれました。
 
■ 今月のテーマは
 ・金成隆一「「トランプ王国」は続くのか」
 ・石山徳子「沈黙の廃墟」
 ・鴫原敦子「核の平和利用」
 ・駒林歩美「ドイツ「罪の克服」とはなんだったのか」
   の4本でした。
 
◎ 第1テーマ・金成隆一「「トランプ王国」は続くのか」
 トランプの特異な個性に目が行くのだが、バンスを考えることによって、アメリカそのものの問題点が浮き彫りになる。共和党は相当大きな変質を遂げている。民主党も言っていることは違っているようだが、実際にやっている政策は同じような内容になっている。二大政党がアメリカの民意を代表するというものではなくなっている。両陣営も、ラストベルトなど不満を持つ労働者を代表するのだと言うが、選挙のために利用されているように見える。内向きになり、世界のリーダーとは言えなくなっているアメリカの行方が不透明だ。
◎ 第2テーマ・石山徳子「沈黙の廃墟」
 「人新世」を、産業革命を区切りに考えるのではなく、アメリカ大陸の植民地化にその契機を見て、「人新世」の本質を植民地主義と捉えるのは、新鮮で、説得力がある。危機を乗り越えるには、「人を殺そうとするあらゆる営み」「脱植民地化」を実現するための道のりを歩むことだ。
◎ 第3テーマ・鴫原敦子「核の平和利用」
 筆者は、「人新世」の起点を第二次大戦後の原子力、核の利用の「大加速時代」に置く。このところ目を向けられているアメリカなどの膨大な回数の核実験によって地球が核の塵に取り囲まれていることに結びつく。とすると、核問題の解決が、「人新世」の課題となる。歴史的記述の中に、核批判を貫いた人々のことを書いて欲しかった。
◎ 第4テーマ駒林歩美「ドイツ「罪の克服」とはなんだったのか」
 ドイツがどうしてイスラエル批判が出来ないのかという大きな疑問への答え。日本に比べ加害の歴史を学んで伝えるドイツであるが、ホロコーストを「唯一無二化」することによって、イスラエルを批判することを封殺する結果になっている。現実の内容に目をつぶり、イスラエルに味方するというのは、ホロコーストへの反省の「未熟なやり方」で、罪に向き合い間違いを正そうとする「成熟したやり方」ではない。「国是」に従っているだけで、自らの目で見て判断することをやめてしまっている。「個」と「全体主義」の関係の問題で、ドイツや日本には共通性があるのかも知れない。しかし、ドイツの中でも、この状態に対して、学者や人権団体が批判をしていることに希望を感じる。学者の研究を保護することの大切さから、学術会議問題や大学の自治の重要性を感じる。
 などと話し合いました。
 
■10月号のその他のお勧めは
 ・須山 「アディクションの解放区へ」      鈴木 直
     「旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」」  斎藤 環
     「欧州・右翼政党の台頭は暴力を引き起こすか?」古賀光生
     「「丁寧な説明」」          米山リサ
     「日本人は原子力と縁を切れるか」   江守正多
   でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会、11月例会のお知らせ
 ●日 時 11月13日(水) 午後7時
 ●zoomでのオンライン開催
 参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
 ●持ち物 雑誌『世界』11月号
 ○共通テーマ
  ・「国家神信仰を批判する」        森本あんり
  ・「世界最大の労働問題をどう解決するか」水町勇一郎
  ・「生身の働き手としての権利」      北 健一
  ・「メタ・ゲーム時代のノンフォクション」 若林 恵
 ※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
 ● 連絡先 須山
             suyaman50@gmail.com
 
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