『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

富岡の『世界』を読む会・8月例会、4名で。

2021-08-19 20:07:25 | 日記
富岡『世界』を読む会・8月例会の報告
(郡山さんから)
1. 月日:8月18日(水)9.30-12.30
2. 場所:高崎市吉井町西部コミュニティ・センター
3. 参加 4人
4. 内容
 Ⅰ.人口減少について
  1. まず、①世界人口は長期の人口減少期に入った、②日本の人口転換は世界の未来である、という事実確認のうえ意見交換しました。
  2. 人口減少の何が問題なのか、それをネガティブにとらえず現実に向き合って、積極的に脱成長戦略を描いていくべきだ、との主張がありました。
  3. 人口爆発に対して「人口爆縮」(年2%ずつ減少、人口は35年ごとに半減)という記述があり、その可能性にびっくりした、との感想が出されました。
  4. 2100年までを見渡した場合、地球規模での人口減少ではなく北の国々の「超高齢・人口減少社会への突入」と南の国々の「人口増加社会」の並立とそこでの格差拡大こそが問われるべき、との指摘がありました。この指摘をうけて、南から北への人口移動についてもっと語られるべきだと主張されました。
  5. 富岡市の人口推計では、2015年49,746人→2045年33,046人と30年で2/3に減少する、と紹介されました。その結果、公共施設は30%削減される見通しだとのこと。既に小・中学校の統廃合が、目前の課題となっています。
  6. 富岡市の人口減少を見ていると、都市部での工場労働者の減少よりも農家・農村での働き手の減少が目立ち、農業の衰退、農地の荒廃、空き家の増加等の減少が顕在化している、との報告がありました。
  7. 韓国の「0.84の衝撃」の背景となっている「少子化の最大要因」は、「結婚しないこと・できないこと」の指摘に、衝撃と納得。ジェンダー不平等な家族関係への反抗はポジティブですが、雇用格差・教育競争の激化等の結果としての「未結婚・少子化」は、日本社会でも顕在化しつつあり、よそ事では済まされない深刻に課題だと思いました。
 
 Ⅱ.安楽死希求について
  1.NHKスペッシャル「彼女は安楽死を選んだ」を見た時の感想は、「こういう人もいるんだ、本人はこれで楽になるのかな、しかし、家族や友人は耐えられるか」と漠然としたものでしたが、著者の「生きる方向ではなく死ぬ方向へと背中を押してしまう」との指摘に、はっとした。著者の思想と運動に強く共感した、との感想が述べられました。
  2.「安楽死」は自殺とも延命措置拒否とも違う、嘱託殺人のひとつだ。そうした観点からの議論が欲しかった、との意見が出されました。
  3.NHKスペに登場した小島ミナさんの安楽死希求が、著者の指摘する「トラウマ、死の刻印」だとする証拠がないではないか、の指摘もありました。安楽死先進国のヨーロッパの事例分析が欲しいところです。
  4.安楽死は「個人の選択の問題」との感想もありました。
  5.最後のページの最終節の「子供期の深刻ないじめ→生き続けることの否定的態度→人生を終わらせるきっかけがあれば→重篤な病→安楽死希求」の記述に、心を痛めました。「この死を自己決定による死」として肯定することは、どうしてもできない。
 
 Ⅲ.コメント:「人口減少」は、出産の問題に起因していました。生む生まない、という「生」の選択の問題。「安楽死」は「死」の選択の問題。現代という時代は、「生と死」を自然現象として、あるいは神の御業として受け入れるのではなく、ひとの主体的な選択の問題として現象しているのだと強く感じました。私自身は、自分に関わる「生と死」を、自分の中に生じた自然現象として受け入れたい。
 
◎ 富岡の雑誌『世界』を読む会、9月例会 の予定
 ●日 時 9月15日(水)
 ●場 所 吉井町西部コミュニティセンター
        吉井町長根174-6
 ●時 間 午前9時半
 ●持ち物 雑誌『世界』9月号   
 ○共通テーマ
  ・「パンデミックが映す命の格差」      内田聖子
  ・「戦後日本の主権と領土」         古関彰一
       です。
 
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東久留米の『世界』・8月例会・zoomは、4名で。

2021-08-12 17:42:42 | 日記
 東久留米の『世界』8月例会・zoomの報告
 
  8月11日(水)、東久留米の『世界』を読む会・8月例会が行われました。緊急事態宣言で、今回もzoom開催となって、zoom開催では常連の4名の会となりました。
 
 第一テーマの「ゼロ成長経済と資本主義」(小野塚知二)は、人口問題です。増大している世界人口は縮小局面に入っていく。3世紀後には劇的に減ることになる。という中での世界の進み方を論じている内容でした。色々話し合いましたが、最後に「資本主義」についての、それぞれの考えを交換することになりました。なかなか、こういうことをダイレクトに論じることはないので、刺激的でした。
 筆者の「その叡智と技は資本主義(剰余価値を利潤として追求することが経済活動の原動力となる経済システム)に適合的なものでなければならない。なぜならが、資本主義以外の現実的な選択肢はないからである。」という言い切りに触発されての議論でした。
 
 第二テーマの「誰がこの事件をもたらしたのか」(上東麻子)は、津久井やまゆり園事件を巡る論稿です。ここで素晴らしいハプニング?が。東久留米の『世界』の最若手メンバーTさんの奥様が、zoomの画面に登場して下さったのです。奥様は、脳血管障害の方の作業所にお勤めの方で、この文章に共感しての参加でした。直接、参加者の家庭に入り込むzoomの威力が発揮される場面でした。植松被告や社会の「優生思想」の問題として捉えられているけれど、やまゆり園、県、国の重度障害者施設に関する施策、方針のあり方そのものに大いに問題があるので、そこを外してはいけないというのが、筆者の主張です。県の天下りの所長のもとでの、社会の目から遠いところに隔離して、収容したら「放置」するような対応。このような施設だけでなく、色々な場面で出くわす現代の問題だな、と思いました。
 Mさんが、自身の障害者との交わりの経験を紹介して、見えないところに押しやっていることが問題だ、と話してくれました。
 
 第三テーマの「日中戦争」(笠原十九司)は、残されたわずかな時間の意見交換になりました。Tさんは、おじいさんの「軍隊手帳」を紹介してくれました。
 日中戦争の歴史は、まだまだこれからの研究課題なのだ。私たちは、すべき「反省」にたどり着いていないな、と思いました。
 筆者の笠原さん、そして文中で紹介されている三谷孝一さんが、私の大学の数年先輩であったことは、この研究課題は我々の年代の課題なんだなと思わされたのと同時に、素晴らしい先輩の業績にちょっと誇らしく思いました。
 
 来月は会場を確保しているのですが、コロナの猛威は、zoom開催もやむを得ないかな、という感じもします。
 
今回の共通テーマは、
  ○ 「ゼロ成長経済と資本主義」         小野塚知二
  ○ 「誰がこの事件をもたらしたのか」       上東麻子
  ○ 「日中戦争」                笠原十九司
           でした。
今月のその他のお勧めは
  ・巻 「トラウマ、死の刻印、安楽死希求」     渡邉 琢
           でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会、9月例会のお知らせ
  ●日 時 9月8日(水) 午後6時
  ●会 場 東久留米市民プラザ会議室
     zoomによるオンライン開催となるかも知れません。
     その時はお知らせします。
  ●持ち物 雑誌『世界』9月号
  ○共通テーマ
  ・「ビジネスと人権」              伊藤和子 
  ・「緊張する米中関係と日本外交の針路」     河野洋平
  ・「東アジアINF条約というリアリティ」    前田哲男
  ※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
  ※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時からもあります。
  ● 連絡先 須山
            suyaman51@mail.goo.ne.jp
 
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zoom『世界』を読む会・8月例会のテーマ決定。

2021-08-08 12:45:37 | 日記
 zoom『世界』を読む会、8月例会のテーマ決定
 
◎ ZOOMの『世界』を読む会、8月例会 の予定
  ●日 時 8月27日(金) 午後7時~9時半
   ※ 月末の金曜を定例とします。
  ○共通テーマ
    ・「再びつくられる原発安価論」   松久保 肇、大島堅一
    ・「トラウマ、死の刻印、安楽死希求」     渡邉 琢
  ○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
  ● 連絡先 須山
           suyaman51@mail.goo.ne.jp
 
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