仙台血液疾患センターで、治療終了後の再発は、初回治療とほぼ同じ成績に達しつつある。
1960年代末と現在で使用薬剤は、イダマイシンは期待した程の効果は無かったので、ダウノマイシン、キロサイドという同じ薬剤を使用している。治療効果の差は何故でるのか?
造血幹細胞動態研究手技が進歩して、正常幹細胞、白血病幹細胞の違いが解明されてきた。支持治療法の進歩。
化学療法剤を自家薬籠中のものとして、患者白血病細胞に合わせた”個別治療法”を行ってきた。支持療法の進歩に伴い、究極の化学療法が可能となってきたためと思います。
正常造血幹細胞が枯渇していない状態であれば、合併症を防止し、白血病細胞を根絶すれば、正常造血幹細胞は増殖してくる。
造血幹細胞動態の実験を繰り返し行った確信です。
院長が提唱したtarget pointの考え方の普及、発展から、血液専門施設が凹凸無い一定の成績を出せるようになった現在、さらに先を目指して、骨髄移植の対象とならない高齢者に対しても、同じ成績を化学療法で与えるという信念が、再発治療成績の向上へと結びついたと思います。
この、治療のノウハウを文字として表現して世に公表するのが次ですが、
小規模施設は、中央、権力の中枢からは、”症例数”で抹殺、封じ込めを食うので、原稿とするのが遅れます。
仙台血液疾患センターは、科学的根拠に基づいて、独自の道を切り開いてきましたし、今後も患者の希望である”QOLの高い治癒”を目指し、右へ倣えをさせる治療法の確立を目指して行きます。