1977年、血液疾患を専門分野と決心して宇塚先生に師事してから、命を継続させる責任感を次第に身につけ、ゴールデンウィーク、お盆期間、年末年始はとりわけ病棟をカバー、患者の病状管理のために休めない日が習い性となり、行楽地の賑わい映像をざわめく心で眺めていたが、今年は、大震災後の被災地にいる立場として、逆に被災地でも行楽可能な地を訪れて賑わしてほしいなと思っています。私は、3連休とも院内にいなければなりませんが。
連休前日、学校に通う3人の子を残して夫に先立たれた方が入院してきました。体調不良からすでに3か月を経過しているのですが、経済的不安から、診療を先延ばしにしていたようでした。母子家庭での、母親が孤軍奮闘せざるを得ない、世間の冷風にさらされてきたのだろうとおもいました。時間的猶予はすでに奪われているのだという説得と社会のシステムは冷たさもあるが、最終的には支えてくれる暖かさがあるのだと言うことを切々と話し、治療に前向きになられほっとしました。病院にいると、本当にいろいろなことが起きます。
24年間治療してきた患者が、消化器症状だったので、末期的状態になってから受診入院となり、結局は血球貪食症候群によって、不帰の人となる急変も起きました。
過酷な病気を専門としたことで、耐える強さ、覚悟を身につけられたような気がします。
暖かい見守りがあれば、過酷な運命、経験も切り開く力に変えていける強さを人間は持っていると思います。自分の経験からも。