豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

誰にも行動を興す動機がある…名古屋中部空港~函館空港~北斗市

2013-06-29 13:54:04 | ファース本部
昭和30年代後半である。
ひたいから滴り落ちる汗を腰ベルトに挟んだ手ぬぐいで拭い、荷車に積んだ鉄骨材を細い林道をくねくねと通って橋梁施工の工事現場に運ぶ作業を。
同じ仲間の中には、既に60歳を超えていると思われる先輩トビ職で、彼の真っ黒く日焼け、顔の肌には深い皺が幾本も刻まれています。

私は、中卒で学問も教養も品性も無い、自分自身の50年後を見たような気がしたものです。
その先輩トビ職の彼は、酒の呑み過ぎで肝炎を患い病院に入り、あっけなく逝ってしまいました。彼とは飯場暮らしでの短い付き合いでしたが。

彼の葬儀には、少人数の人だけで彼の孤独な一生は、私の将来に転機を与える大きな動機だったような気がします。
彼とは、飯場暮らしで一緒に仕事をしましたが、ミスも多く仲間からも信頼されていなかったようです。当時17歳の私は、このような人生にしないと。

私達の鉄骨トビ職の親方は、昔の任侠の流れをくむ人で、肩口から上半身すべてに昇り龍下り竜が行違う見事な刺青を彫っていました。
今なら銭湯にも入れないヤクザ者と見なされたでしょう。
確かに口は荒く、怖い存在だったのですが、鳶職の腕前としては、右に出るものはいないと高い評価がありました。

私達もその仕事ぶり、特に思い鉄骨を難しい条件と限られた用具を使って段取りを行い、魔法のように仕上げてしまうのです。
無いモノを生み出すスキルは、学歴や教養でないこと悟った気がしたものです。
思案をして実践し、試してみれば光明が見えてくる。
入れ墨だらけの鳶職の師匠から学んだことが。

今回の出張では、東大法学部出で多くのクライアントから尊敬される弁護士さん、高卒から会社を興して成功した企業経営者にもお会いできました。
いずれも、その立場を築くまでの動機とプロセスが整合しているように思われます。

写真は昨日、数年ぶりに参拝できた京都の伏見稲荷大社です。
関わる人々の五穀豊穣を祈願して参りました。
今日はこれから休養に入ります。

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