読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

シベリア追跡

2011年08月14日 04時51分24秒 | ■読む
椎名誠著、小学館刊
椎名さんの本は面白い。ほんの少し不良の味がする。そして、冒険を好む少年の純粋さがある。深くはないが真摯な姿勢を感じる。私になくて私が好む多くのものを持っている様に感じます。だから、今までも旅行本を主に読んできました。
本書は、江戸時代の大黒屋光太夫が辿った、シベリアを横断する旅を取材したテレビ番組に、椎名さんが同行した旅の記録です。以前読んだ、米原万里さんの著書「マイナス50℃の世界」で光太夫の話を知り、更に、光太夫を描いた映画「おろしゃ国酔夢譚」を見ました。米原さんの著書も、椎名さんの取材行に同行したことが基になって後に著した書籍でした。本書は、米原さん著書と共通する部分もありながら、全く独自の視点から多くの事を記しています。
例えば、マイナス四十度以上の厳しい寒さの野外で、男がおしっこをする際の困難と注意点を、微に入り細に入りレポートしており、更には、ロシアの飲んべえの生態を生き生きと書き記しています。また、ロシアの凄まじい程の生活レベルの低さや不便さを生々しくレポートしていて、分かり易い。因みに、この旅行記は1980年代のロシアで、国の運営に陰りが露わになっていたゴルバチョフの時代です。社会主義運営の限界が露呈した時代です。そうした意味では、貴重な歴史資料にもなり得る旅行記ではないでしょうか。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/椎名誠
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評価は4です。

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