読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

音の記憶:その24:鬼束ちひろ

2009年05月02日 09時26分55秒 | ■考え事
彼女の「月光」は寂しい曲です。思春期の荒涼とした心象風景と孤独な荒野を想起させます。生まれてきた理不尽さ、生きてゆく不可解さ、行方の分からない時間の中で、どうしたらよいのか・・・。
かつて、吉田拓郎が「イメージの詩」で「生の理不尽さ」に対する具象的な異議を唱えたのに対し、彼女は、より不確かな形で刃を振りかざしているように感じます。日本の若い人々の才能が花開いている感じがあります。「ら」抜きの間抜けな語法など、数多の嘆きを感じる事共の一方で、かくも豊かな日本文化の発露は喜ばしい限りです。(でも、滅亡の日も近いかも)

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