夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

としくれてわが世ふけゆく風の音に

2006年12月29日 00時44分41秒 |  気になる詩、言葉


岬が静かとはいえ、多少は風の梢を渡る音や、虫の声、寝ぼけた鳥の鳴き声などがするものですけど、今日は先ほどからほんとうに静か。まったくの無音の世界が漆黒の闇の中に広がっている。さすがの私もこれにはほとほと萎えてしまう。

紫式部の今日の日記に

としくれてわが世ふけゆく風の音に
 心のうちのすざまじきかな

とありますけど、風の音があるだけまだ人心地がしたんじゃなかろうか。

先ほどまで半月を見せていた月も山の端に隠れてしまいました。