夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

あしひきの山の間照らす桜花

2011年04月09日 20時05分00秒 |  気になる詩、言葉


あしひきの山の間照らす桜花
  この春雨に散り去かむかも
     万葉集 10-1864

今日は久しぶりに雨が降り続きました。
岬の家のアプローチにはそれはそれは見事な枝垂桜がありますが、今日の雨でほとんどが散り去ったようです。

でも、岬の家の入り口の八重桜はこれからやっと花をつけ始めます。

一年でももっとも華やかな香りに包まれるひととき。


     
     

ショカッサイ

2011年04月09日 07時53分40秒 |  あなたの鼓動、華


今、ショカッサイが東京でも、ここ岬でも真っ盛りです。
一つ一つの花は決して派手ではないですが、それでも優しい感じを与えてくれますね。
それが、木々の下生えに一面の紫のグランドカバーをかけてくれているのを見ると、冬と初夏を行きつ戻りつしているこの時期、春の彩で、今は春ですよって告げられているようではっとする。



わが門の片山椿まこと汝

2011年04月09日 00時33分50秒 |  気になる詩、言葉


わが門の片山椿まこと汝
  わが手触れなな 土に落ちもかも
       物部廣足
       万葉集 20-4418

私の家の門のところの片山椿よ
  私が手も触れないのに土に落ちてしまうのか



もちろん、ここでの椿は、美しい女性を意味しています。
防人として出兵した兵士が、故郷に残した恋人(?)のことを案じている詩。


古今集や新古今集ではあまり出てこない花なのに、万葉集ではよく詠まれているものってありますよね。
椿は新古今に一首。でも万葉集には9首でてくると聞いています。
この好みの波って、なぜなのか、探し出せれば面白いのでしょうね。