夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

見まく欲り あが待ち恋ひし秋萩は

2011年09月19日 15時28分23秒 |  気になる詩、言葉


見まく欲り あが待ち恋ひし秋萩は
   枝もしみみに花咲きにけり
       詠み人知らず
       万葉集 10-2124

欲り(ほり)

見たいと待ち望んでいた秋の萩は
  枝もたわわに花が咲いてきた

萩というと先日の写真のように、「集合写真」を撮ってしまうことが多いのですけど、今日はちょっと趣向を変えてクローズアップでお見せしましょう。もっともこの詩に限れば、今までの集合写真の方が合ってましたね。
ただし、これは一つの花ではなく、双子になってますね。

万葉集の中では一番多く詠まれている花が萩です。もっとも字は波疑とか波義とかを当てるときと、芽とか芽子を当てたものがあるそうです。
もっとも風車は万葉仮名は苦手なので、原典にはなるべくあたらないようにって心がけておりますけど、、、、、

  ちなみに、この詩の元は
「欲見吾待恋之秋芽子者枝毛思美三荷花開二家里」
なんですと。自信を持って宣言いたします、アンチョコがあっても風車には詠み下せない。 
    
最初のグループは音から来た当て字ですが、芽とか芽子は萩は古株から芽を出してくるからそう書かれたのだそうです。ちなみに生(は)え芽(ぎ)というのが始まりのようですね。

萩の字は、だいぶ後に、秋に一番愛される花として、草冠に秋を書いて萩と読ませたのだそうです。

古今、新古今にもたくさん詠まれています。
今後もしばらくはご紹介して行くことがあると思います。


柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺  正岡子規

2011年09月19日 15時08分48秒 |  気になる詩、言葉


子規が法隆寺の茶店で御所柿なんぞを食べたのだそうですよ。
そしたら、法隆寺の鐘がゴ~ンと響いてきた。
子規は食通としても知られていましたけど、柿も好きだったんでしょうね。
柿が出てきて嬉しいな~って思った時に、法隆寺の鐘が響き渡ってきた。
ゴ~ンなんて書きましたけど、あんなどっかの社長さんの名前みたいじゃなく、本当はゴ~~~~~~ンなんて余韻を響かせていたんでしょうね。
その時の子規の心情と目に映る景色、その時の空気が感じられるようじゃありませんか。

それにしても、皆さん、風車は柿が大好きなんです。
残暑のお見舞いをかねて、柿をた~くさん送ってきていただいても、風車は怒りませんからね。

さて、いつになったら鐘が聞こえるのでしょうか。。。。。