オールコットの本でしたっけ、ある女性が自分の子供時代の校内のスポーツ大会に参加したことを自分の人生の中で一番刺激的な出来事だったって話をし、それを聞いていた主人公が、この人は何もない人生を送っていたんだなってすこし哀れみを感じながら思っているというのがありました。
若いころは私もその主人公のように感じていたのですけど、最近は、その女性の生き方だって素晴らしいんじゃないかって思うようになりました。人から見て何事もない平安な人生であったとしても、当人には波乱万丈の一生を送っていると思われているかもしれません。それは人それぞれ。
もし、他人から見てどうでもいいようなものであっても、自分がそれを美しい、綺麗、楽しいって感じられればそれでいいのじゃないでしょうかね。
もちろん若いときにはいろんなことを経験したり、見たりするのもいいことだと思いますけど。
何を言っているのかって?
ほんと、これからアップするどうでもいいような紅葉の写真の言訳をしているんです。
私は全山が真っ赤に燃えるような紅葉を見たことがあります。
一日紅葉のなかの林道を車を走らせたこともあります。
何日も車で走ってそれでも尽きない黄葉の道も走ったことがあります。
そしてそのカナダから来たおばあちゃんが涙した京都の紅葉の盛りも見ました。
それぞれに素晴らしい経験だし、美しかった。
去年の箱根への旅行の途中で見た紅葉もまた素晴らしい経験でした。
ちょっとドライブへ 鮎沢パーキングで紅葉狩り
ちょっとドライブへ 箱根湿生花園 肉抜きの肉饅
今は今日撮った岬の紅葉の写真を見ています。
11月1日と4日にも養老渓谷の紅葉をアップしています。
紅葉にはまだちょっと早い養老渓谷 そしてぶつぶつ独り言
人こそ見えね 秋は来にけり 養老渓谷
房総は関東で一番遅い紅葉なのだそうです、ですからまだ早い。おまけに海そばですから温度差がない。真っ赤に燃えるような紅葉、黄金に輝く黄葉、、岬ではなかなか見られない景色です。
でも、待って下さい。
なら岬は紅葉の時期は意味がないのでしょうか?
この一枚の紅葉が傾きかけた日差しを受けて輝いている風情、、
真っ赤でもなく、虫食いだらけの寂しげな紅葉。
でも、これにも心を動かされませんか?
紅葉の名所から来た人には紅葉ということさえはばかられるでしょうけど。
同じようなことを以前にも書いています。
10月21日
なんでもない風景 いすみ市岬町
どんなに美しい夕日でも、それを見る余裕がなければ気が付きもしないかもしれません。
なんでもない風景、どこにでもある風景。
そのなかにも心を動かすような美しさがあることに気が付くこと、
それを美しいと思えるのは自分の気持なのでしょうね。
私は自分が綺麗、素敵だと思うものを平気で書いたり、写真を撮ったりしていますし、それを発表しています。
書きっぱなし、撮りっぱなし、、、
プロの作家はたいへんだと思います。そんなマスターベーションみたいなことをやっていれば、即飯の食い上げでしょうからね。
自分が素晴らしいと思う気持を相手にも起こさせなければプロはやっていけないのですから。
私はなんて幸福なんでしょうね。プロでなくてもよく、自分が素晴らしいと感動するような自然の中にいれるのですから。