夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

多摩川散歩 071112

2007年11月15日 15時47分05秒 |  多摩川散歩

多摩川の私の散歩コース、ガス橋から丸子橋にかけては桜の大きな木が並んでいます。



たくさんの小鳥たちがこの桜の枝で飛び交い、鳴き交わしていて、ここは小鳥たちの楽園だとばかり思っていました。



でも現実は想像以上に厳しいのですね。



この高層マンションに囲まれた都会の小さな自然でもトビやチョウゲンボウを見ましたし、先日聞いたところではオオタカまでもが徘徊しているのだそうです。



その桜も今は紅葉の時期。
紅葉の名所へ行くこともママならない私としては、桜の紅葉も素晴らしい秋の贈り物です。



そして堤防に面して建てられている学校や住居の塀にも秋は来ています。蔦が見事に紅葉し、桜の葉と艶を競っています。



こんな大都会にも自然はあり、四季の喜びも見出せるのですね。



なぜこんなにも素晴らしい自然の贈り物が私たちに用意されているのでしょうか。











人目も草もかれぬと思へば  いすみ市岬町

2007年11月11日 22時10分55秒 |  気になる詩、言葉
トップの写真、Mixiで使いましたら、どこかで見たようなってコメントが付きました。確かに五月の鯉幟を入れてここの風景を撮っていますけど、でもそれを覚えておられたのかな? なんとなく日本人が考える原風景の典型みたいな風景だからじゃないでしょうか。懐かしくなるような風景。それが岬にはたくさんあります。



山里は冬ぞ寂しさまさりける
  人目も草もかれぬと思えば
        源宗千朝臣

なんていうほど、岬は人里離れた町ではありません。
でも、都会の家並みの中に自然を探す状況とはもちろん違います。
自然の中にぽつんぽつんと家がある。
人によっては、寂しすぎるでしょうね。
私には、やっと自然に戻れたって、自分を確認できる場であるのですけど。

岬は堰や池、沼、そしてクリークの多いところです。
多分、海に面した土地に人が住み、畑を作ろうとするときに、最初に必要なのが水だったからでしょう。
いつもの椎木堰ではなく、これは中原堰。



椎木堰の隣です。水の出口は数百メートルも離れていないと思います。
椎木堰の方が鳥が多いので、ともすれば椎木堰を案内しています。
でも、風景としてはこちらは丘に囲まれて静寂な美しさを持っていると思います。

椎木堰、中原堰のあるところは昔は出城があったそうです。



その本城が万木城。
この下に万木沼があります。
岬の自然環境保護のセンターがそばにあります。
夏の一時期を除いて、いつきても誰もいません。
でもこんな素晴らしい池が岬にはたくさんあります。



そして岬の人にはとても有名なとんぼ沼。



千葉にいる殆ど全てのトンボがここにはいるそうです。
もうすぐ、白鳥が渡ってくるそうで、楽しみにしています。
まんなかの白い鳥は鷺ですよね。でもちょっと形が違うみたいで、もしかしたらって思っています。



堰や、池と畑を結ぶクリークが縦横に流れています。





八重葎しげれる宿のさびしきに
  人こそ見えね 秋は来にけり
           恵慶法師
岬のうちの隣のうち。もう訪ねてくる人もありません。朽ち果てるに任せてあります。仮の宿とはいえ、寂しい限り。



岬の冬は遅い。でも空の色にもだんだんと冬の気配が強くなってきます。
夕景も夏とは違う趣です。



秋の野の 草の袂か 花薄

2007年11月10日 23時27分33秒 |  気になる詩、言葉
薄は大好きで、これから薄の写真が何度も出てきますと警告を出しておりましたね。
今日も薄の写真です。ごめんなさいね。



秋の野の草の袂か花薄 穂にいでてまねく袖と見ゆらむ
                 古今和歌集
                 在原棟梁

在原にいる大工の棟梁さんの名句。なんちゃって、ほんと私の書くものを信じちゃ駄目ですったら。

なに? 訳をしろって私に言うのですか? 人に言っちゃ駄目ですよ、貴方が馬鹿にされるからね。

花薄は秋の野の草の袂のようだ。 穂の身振りで私を招いている、、、
なんちゃって、、ほんとうかな~?
ちゃんと自分で調べなきゃ駄目ですよ。





花見つつ人待つ時は白妙の 袖かとのみぞあやまたれける
                 古今和歌集
                 紀友則

はいはい、訳ですね。
花を見ながら人を待っていると、白妙の袖だとばかり間違ってしまう。
意味がわからない? 困りましたね。
これは知人の恋人の陶淵明さんが重陽の節句に菊の花を摘みながら、酒を飲みたいな~って思っていたら、白い衣を着た王弘の使いが酒を持ってやって来た。それで酒を一緒に飲んだ。という盈把(えいは)の故事を踏まえているんですね。



まあ、これからも薄はたくさんアップします。
その都度、私はU20が私に袖を振ってくれているのか、お酒を持ったお届けやさんがくるのを待っているのか、どちらかを思いながら、どちらでもなくてただひたすら一人寝の侘しさを囲っているのかもしれません。

次に伝えるもの

2007年11月10日 22時26分06秒 |  岬な日々

普段はそれほど自分を主張しているとは思えない木々が、今は思いっきり自分の成果を主張している。



自分の後を継ぐものを誇らしげに晩秋の暖かい日差しの中に差し出している。



赤や金色に染められた彼らの後を継ぐものたち、それは見るからに生き生きとして確実に次への遺伝子が残されていることを主張している。



もちろん、これは単なる私の思いいれにしか過ぎないものだろうけど。



でも、種の起源から連綿と続くこの過程は、誇りに足るものだと思う。



それは木々にとどまらない。



ともすれば靴の下に踏みにじられそうな雑草でも同じ。



見てやってよ、私の子供たちを、って声が聞こえてきそう。







あきくさのしとろかはしにものものしくいきをさかゆるつわぶき

2007年11月10日 00時25分39秒 |  気になる詩、言葉

あきくさのしとろかはしにものものしくいきをさかゆるつわぶき
                      伊藤左千夫
ちょっとこのままでは読み辛いですね。「秋草のしどろが端にものものしく生きを栄ゆるつはぶきの花」 秋草が終わり、枯れ果てた庭に石蕗の花が凛として咲いているということでしょうね。

いま見しを月下の石蕗に時雨来る
                   水原秋桜子
これもどこか共通したイメージを受けるのです。

子供のころはなんとなくあまり綺麗な花ではないと思っていましたけど、よく見ると実は素晴らしく美しい花じゃありませんか。
特に群生ではなく、ちょっとだけ咲いていると毅然とした、端然とした雰囲気が感じられます。



でも群生しているとそれはそれでまた華やかなのですね。


秋の木々たち  いすみ市岬町

2007年11月08日 22時33分34秒 |  岬な日々

オールコットの本でしたっけ、ある女性が自分の子供時代の校内のスポーツ大会に参加したことを自分の人生の中で一番刺激的な出来事だったって話をし、それを聞いていた主人公が、この人は何もない人生を送っていたんだなってすこし哀れみを感じながら思っているというのがありました。
若いころは私もその主人公のように感じていたのですけど、最近は、その女性の生き方だって素晴らしいんじゃないかって思うようになりました。人から見て何事もない平安な人生であったとしても、当人には波乱万丈の一生を送っていると思われているかもしれません。それは人それぞれ。
もし、他人から見てどうでもいいようなものであっても、自分がそれを美しい、綺麗、楽しいって感じられればそれでいいのじゃないでしょうかね。
もちろん若いときにはいろんなことを経験したり、見たりするのもいいことだと思いますけど。

何を言っているのかって?
ほんと、これからアップするどうでもいいような紅葉の写真の言訳をしているんです。
私は全山が真っ赤に燃えるような紅葉を見たことがあります。
一日紅葉のなかの林道を車を走らせたこともあります。
何日も車で走ってそれでも尽きない黄葉の道も走ったことがあります。
そしてそのカナダから来たおばあちゃんが涙した京都の紅葉の盛りも見ました。
それぞれに素晴らしい経験だし、美しかった。
去年の箱根への旅行の途中で見た紅葉もまた素晴らしい経験でした。
ちょっとドライブへ 鮎沢パーキングで紅葉狩り
ちょっとドライブへ  箱根湿生花園  肉抜きの肉饅


今は今日撮った岬の紅葉の写真を見ています。
11月1日と4日にも養老渓谷の紅葉をアップしています。
紅葉にはまだちょっと早い養老渓谷  そしてぶつぶつ独り言
人こそ見えね 秋は来にけり   養老渓谷


房総は関東で一番遅い紅葉なのだそうです、ですからまだ早い。おまけに海そばですから温度差がない。真っ赤に燃えるような紅葉、黄金に輝く黄葉、、岬ではなかなか見られない景色です。
でも、待って下さい。
なら岬は紅葉の時期は意味がないのでしょうか?
この一枚の紅葉が傾きかけた日差しを受けて輝いている風情、、
真っ赤でもなく、虫食いだらけの寂しげな紅葉。



でも、これにも心を動かされませんか?



紅葉の名所から来た人には紅葉ということさえはばかられるでしょうけど。



同じようなことを以前にも書いています。
10月21日 なんでもない風景 いすみ市岬町

どんなに美しい夕日でも、それを見る余裕がなければ気が付きもしないかもしれません。

なんでもない風景、どこにでもある風景。



そのなかにも心を動かすような美しさがあることに気が付くこと、



それを美しいと思えるのは自分の気持なのでしょうね。



私は自分が綺麗、素敵だと思うものを平気で書いたり、写真を撮ったりしていますし、それを発表しています。
書きっぱなし、撮りっぱなし、、、



プロの作家はたいへんだと思います。そんなマスターベーションみたいなことをやっていれば、即飯の食い上げでしょうからね。



自分が素晴らしいと思う気持を相手にも起こさせなければプロはやっていけないのですから。



私はなんて幸福なんでしょうね。プロでなくてもよく、自分が素晴らしいと感動するような自然の中にいれるのですから。


横濱ジャズプロムナード

2007年11月08日 16時02分10秒 | 日記

Mixiの日記にはちょっと書いていたけど、横濱ジャズプロムナードのS氏からエッセィを書いてよって話が合って、作ったものが、今見たらアップされていました
書いてよってメールを見て、20分ほどで書き上げて「こんなのどう?」って返送したら「地がでていて、いいんじゃないですか」って即採用になっちゃった。

今見てみるとちょっと恥かしいくらいにひどいかなって反省しきり。
でも拙速っていっても、時間をかけても、この頭じゃ何も出てこないし、私に振ったS氏の眼鏡違いということで、「おら、知らねずら~」

多摩川散歩 コゲラ、セグロカモメ、ユリカモメ、ヒドリガモ、、

2007年11月05日 16時38分40秒 |  多摩川散歩


昨日の散歩は蝶がメインでした。今日は鳥。蝶もたくさんいたのですけど、今日はこのシーズン始めてみた鳥や、初めて群れになったのを見たものがありましたので、鳥をメインにしました。

まずはコゲラ。師匠はこのあたりで撮影されていたと思いますが、私は初めてでした。
ちょっとはっきりしない写真ですけどお許しあれ。



また、ユリカモメが少しづつ来ているのは知っていましたけど、今日はかなり大きな群れになっていました。



大好きな鳥です。それにもう少しして多摩川に慣れてくると、妙に人懐っこい。



でも飛んでいるところを見ていると、金属質のまるで戦闘機のようです。
どうです、垂直離着陸機なんて感じがしません?



これが「お兄ちゃん(ちょっと違ったかな? まあ、細かいことは気にしないで)何してんの」なんて首をかしげながらよってくると、キャワイィ!ってことになります。そうなるまでもう少しです。



今は、多摩川の様子を観察している時期なのでしょう。



しばらくするとコアジサシがやってきて、これと同じような形で飛んでいます。
これもまた素晴らしく綺麗な鳥です。



ところで、ユリカモメの間に、なんかでかいのがいます。セグロカモメですよね。
これもこのシーズン初めてでした。



ユリカモメもそんなに小さな鳥ではないのですけど、やはり大きいですね。
ユリカモメが40センチくらい、ウミネコが47センチと私の図鑑には出ています。
それに反してセグロカモメは61センチだそうで、やはりでかいですね。



ほら、こうすればいかに大きいかよく判るでしょう。



ところで、カモメのほかには、サギの類とカワウの類がいましたけど、これは定連さんですよね。でもカモも、夏の間のカルガモがいなくなって、代わりにヒドリガモが群れになっています。以下の写真だってその群れの半分くらいをカバーしているだけです。



先日来、禿じゃないかというけしからん噂が流されていますけど、よく見てください、禿じゃな、、、、、ぃかな~



こっちの写真なら、、、これも禿に見える???



「もういい、あんたとは話をしない」って逃げていきました。



まあ、冬の鍋や、鴨南蛮でもお世話になるのですから、この際細かいことは言わないようにしましょう。



ねっ。




グラン・パ・ド・ドゥ   パピオン

2007年11月04日 18時48分01秒 |  多摩川散歩
蒲田バレエスクールについてはずいぶんとアップしました。
別に私はここの広告を業としているわけではないのですけど、ついつい可愛いダンサーたちに頼まれると、、、えへへ、、、
そうですね、覚えているだけでも;

今日の日記に関係が深いところでは
白鳥の湖 グラン・パ・ド・ドゥと グラン・ソロ

あとは;

タンジュの練習     アオサギ


ドガになった気分  蒲田バレエスクール

コサギ リハーシング

これだけ宣伝してあげれば、せめて盆暮れには草刈にアマゾネスを派遣してくれてもよさそうですけど、草刈さんも含めそちらのほうはとんとご無沙汰でございます。

だから、蝶に鞍替えしたわけではありません。念のため。



たまたま、今日は暖かく晴れ上がった一日、散歩にでたと思し召せ。

そしていつもの蒲田バレエスクールの多摩川河川敷練習場を覗いてみたのです。



そしたら今日は、蝶が練習をしておりました。



演目はなんと白鳥。



「お前さんは鳥じゃないじゃないか」って言いたいけど、



あまりにも熱心に練習をしておりましたので、



いえませんでした。



中には勢い余って、舞台と現実の区別が付かなくなる手合いもおりましたけど、若いうちは仕方がない。年取ってからも「事故」ってありますものね。



先生も、黙って目をつぶっておりましたし。


人こそ見えね 秋は来にけり   養老渓谷 

2007年11月04日 10時33分12秒 |  気になる詩、言葉
まだ紅葉にはちょっと間のある養老渓谷です。



山が錦を装うまでにはもう少し待たなければなりません。



「流れもあへぬ紅葉なりけり」となるまでにはあと一月でしょうか。
       (山川に風のかけたるしがらみは
          流れもあへぬ紅葉なりけり
                   春道列樹)






八重葎 しげれる宿のさびしきに
   人こそ見えね 秋は来にけり
             恵慶法師



少しづつ秋色に染まってきている山には、じんわりと心に沁みてくるような何かがあるような気がします。