旅日記

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写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾のりもの紀行 棒球場

2008-02-12 13:30:35 | 台湾日記

台中線(山線) 潭子車站 (台灣省台中縣潭子鄉)
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今月になるまで、その名前すら知らなかった駅、潭子で降りたのは訳がある。第二十四屆亞洲棒球錦標賽 Asian Championship 2007 が台灣省台中市で開催されるのだが、優勝した1チームは北京奥運(五輪)の出場権を手に入れられるのである。棒球というのは野球である。野球日本代表は24日に台湾入りしている。台湾のテレビで練習の模様が連日紹介されているのは前出の通りである。せっかく台湾にいるのだから、球場くらい見てやろうという訳である。新球場らしく、どこにあるのか分からなかったが、いろいろ検索していたら地図が出てきた。そして最寄駅は潭子だった訳である。西口にあたる側の方が球場には近そうだが、表口と思われる東側に出る。列車からは僅かな乗客が降りただけで、今は駅には高校生が一人残るのみである。客待ちするタクシーもいない。もとよりタクシーに乗るつもりはなく、歩いて球場へと向かう。

潭子の駅前は、日本でもよくある地方の町の駅前の風情である。小さな商店が軒を連ねている。少々寂れているのもよく似ている。しかし食堂は店頭にテーブルを置いた台湾のそれである。こういう店で食べてみたいと思うが、先ほど列車で便當を食べたばかりである。さて駅の西側にある省道3号に出なければならない。歩いていると野良犬なのか、放し飼いなのか黒い犬がいる。のらくろならかわいいが、異国の犬は狂犬病の心配がある。後で調べたところ、島である台湾は日本と同様に狂犬病は発生していない、数少ない国・地域だった。注意して犬の側を通り過ぎるが、犬は何ら関心も示さない。

臺鐵のガードをくぐり、西側へ出る。往復4車線の省道3号に出た。東側の商店の並ぶ落ち着いた街と違い、幹線道路沿いのよくある風景である。中古自動車販売店も見られる。役場というべき潭子鄉公所も道路沿いにある。自動車で来る客を相手にした飲食店もあり、麵線の店があった。不味かったらお代は要らない(筆者、適当に訳す)、とある。味に自信があるのだろう。一度、麵線を食べてみたいが、まだその機会がない。帰りしに食べてみようかと思ったが、別の道を帰ったので、再びこの店の前は通らなかった。


田圃① (台灣省台中縣潭子鄉)

省道3号から右に折れ、環中路に入る。道幅の広い新道で、中央部には高架道路の用地が確保されている。沿道には田圃も見られるが、他は殺風景である。また野良犬(放し飼い?)が現れた。しかし犬はこちらを構わない。台中縣潭子鄉から台中市北屯區に入るが、殺風景なままである。広い敷地を確保できるからか、資源ごみを扱う業者があったり、家具店があったりする。雨は降らないが、台風の影響で風が強い中、40分余り歩いて球場に到着した。


台中洲際棒球場 (台灣省台中市北屯區)


掲げられる参加国・地域の旗 (台中洲際棒球場)


グランドをのぞいて見る (台中洲際棒球場)

この時間に試合はないのだが、球場を眺めたり写真を撮っている人が幾人もみられた。みんな車やバイクで来ているようだ。歩いてくる物好きはいないのか。


ゲート前 (台中洲際棒球場)


1階にはドナルドがいた! (台中洲際棒球場)


全景 (台中洲際棒球場)
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選手・関係者入口かな (台中洲際棒球場)


JR東日本E217系とJR西日本300系 (台中洲際棒球場)

工事中の箇所を囲う壁があり、台中市のPRの印刷された横断幕が張られているが、中には新幹線と在来線の写真が使われている。隣に「台中都會區鐵路高架化」とあるから高架の例としてなのだろうか。それとも台中にも新幹線(台灣高鐵)があるって言いたいのか。


100系も (台中洲際棒球場)


田圃② (台灣省台中縣潭子鄉)

球場には何の店も開いておらず、一回りして帰る事にする。帰国後、この球場の風景を思い浮かべながら、テレビ観戦しよう。さて、ここにもタクシーはいないので、また40分歩いて駅へ戻る。この辺りの様子が分かったので、最短コースを歩く。今度は殺風景ではない。道は細くて歩道もないけど。こちらの田圃は稲穂が頭を垂れている。何期作出来るのだろうか。田圃の中に木が茂り、小さな祠がある。日本だったらお社なのだが、実によく似た風景である。駅が近づくとマンションが林立するのも似ている。今度は繋がれている犬がいる。家の敷地から盛んに吠えてくる。人に対して吠える犬だから繋がれているような気がしてきた。


潭水亭 (台灣省台中縣潭子鄉)
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いずれも民國96年11月27日撮影


今度は踏切で線路の東側に渡る。東が旧市街、西が田圃を潰して新市街という印象を受けた。駅が近づくと大変立派な廟が現れた。潭水亭という。後日調べたところ、清嘉慶6年(1801)創建というから古刹である。再び犬に警戒しながら駅にたどり着いた。時刻表を見ると列車がすぐに来る。慌てて券売機で台中までの切符(15元)を買い、月台へと急いだ。 (つづく)