突如現れた総選挙は、国民にどんな選択を要求しているのであろうか? 消費増税、集団的自衛権、原発再稼働、沖縄基地問題……、課題は山積しているが、私は、最大の問題は貧困の問題ではないかと思っている。
何度も書いてきたが、戦後のの高度成長を生き抜き、相応の富と分厚い中間層を生み出し、それにより一定の安定社会日本を築き上げた自負を持つ者として、現在の貧困層の現出は想像していなかった。勤労者6千5百万人のうち、ワーキングプアーと呼ばれる年収2百何円以下が2千万人に達するような社会が何故発生したのか? いつから日本はその様な社会になったのか?
ワーキングプアーと呼ばれる層には、おそらく子供の教育を十分に行う余裕はないだろう。そこには貧困が再生産されていくだろう。そのような社会だけは許さない、というのが高度成長を築いてきた者の誇りであった。その誇りはどこかに持って行かれた。
アベノミクスのもとで、大企業の利益はますます増大している。資産家は増えてきている。その対極にワーキングプアーを生み続けるような社会を許すのかどうか? これこそが選挙の争点ではないか?
どんな理屈があろうと、貧困を生み続けるような社会を許してはならない。