旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

核兵器廃絶への道 … 8月6日広島原爆の日に思う

2017-08-06 15:19:15 | 政治経済



 今日は広島に原爆が投下された日である。あれから72年、広島市民だけでなく日本国民、いや世界の多くの人々が核兵器の廃絶を願ってきたが、未だにその道は開けず、それどころか核保有国は増加し世界には15000発の核弾頭が存在するまでに至っている。
 しかし、今年の広島原水禁世界大会は、特別の意義を示しているようである。それは、去る7月7日、国連会議が人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約を採択したからである。残念なことに5大国はじめ核保有国はこれに参加せず、その核の傘にいる日本も参加していない。しかしこの条約は国連傘下国の3分の2以上に及ぶ122か国の賛成で採択され、核兵器に悪の烙印を押したのである。しかも条約は、核兵器の開発、生産、実験、製造、取得、保有、貯蔵、とそれによる威嚇に至るまで、詳細に列挙してこれを禁じたのである。
 核保有国が主張する最大の保有理由は「核抑止力」であり、それは、核による威嚇をその背景としている。日本もその理論に立ってアメリカの核の傘に入り、この決議に参加しなかった。この核抑止論に対する痛烈な批判が、国連会議の討論の中で行われている。オースオリア代表の次の発言である。
 「もし核兵器が本当に安全の保障を提供するうえで欠かせないのなら、どうしてすべての国家がこの利点から利益を得てはならないのか? 核兵器は世界をより安全にするという議論に従えば、より多くの国々がより多くの核兵器を持った方がよいということを意味することにならないだろうか? われわは、そういう議論は信じない。明らかに核兵器が少ない方が、われわれは、より安全になるのだ。それのみが、誰をもより安全にするのである」(7月22日付赤旗「志位和夫氏記念講演」より)

 北朝鮮に対し、核抑止力論による核の威嚇を行いながら、「俺は持っているがお前は持つな」という説得が、いかに無力であるかは日々証明済みである。核保有国たちが、「俺たちも捨てるからお前も持つな」という立場に立つまで説得力は持ちえないだろう。そのためには、核禁止条約の意義を広め保有国を追い詰めていくしかない。大国の核亡者ぶりを見ると、気の遠くなるような遠い道のりであるが……。


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