わが家の愛猫パンダが、19日間の逃亡生活の末、ガリガリにやせ衰えて帰還したことはすでに書いた(10月1日付)。逃亡前は5キロを超えていた体重は、2.5キロと半減していた。背中をさすると骨と皮だけで、「皮下脂肪を使いつくしていいる」(獣医師)状態だった。
娘は毎日、時間をかけて食を与え、点滴と歯の治療(注射)などで医者に通うこと数度に及んだ。前記したように17歳(人間に換算すると84歳)の老猫で、私は正直いって生きることはむつかしいのではないかとさえ思った。しかし、だんだん元気を取り戻し、体重も0.5キロふえて3キロ台を取り戻した。
それにつけても19日間何処をさまよっていたのだろうか?…、と言うことがもっぱらの関心事だ。娘と女房と私が、代わるがわる尋ねる。「お前はいったいどこにいたの?」、「家の近くにずっといたの?」、「それとも相当遠くまで行ってきたの?」……しかし、パンダは何も言わない。
この間、いったい楽しかったのだろうか? それとも怖い毎日だったのだろうか? いくら聞いても何も言わない。時々反省しているようにも見えるが、隙あらばまた飛び出そうと狙っているように外を眺めているときもある。
すべては何もわからない。ただ、すこしずつ回復し、元気になってきたのがうれしい。
帰還した直後のパンダ(10月2日撮影)
帰還後19日目。階段を上る前、一休みするところがいじらしい。
しかし、炊事場で食をねだるまでになったので、生きていけるだろう(20日撮影)