旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

うたごえ居酒屋『家路』の40周年を祝う会 … P子さんおめでとう!

2019-02-21 16:08:21 | 文化(音楽、絵画、映画)


 新宿3丁目に、『家路』といううたごえ居酒屋がある。うたごえ喫茶『ともしび』の中心メンバーだった橋本安子さん(通称P子さん)が、ご主人の春樹さんと『ともしび』から独立し、続けてきた店だ。
 かん板には「うたとピアノとともだちと」と書かれてある。文字通り、戦後うたごえ運動の中で生まれた「うた」を、P子さんの温かい「ピアノ」に合わせて、たくさんの「ともだち」が歌い継いできた店だ。その「ともだち」の絆は固く、あの盛衰の激しい新宿の飲み屋街で40年の営業を続けてきたのだ。
 3年ほど前に残念ながらご主人の春樹さんが他界したが、周囲の支えで40周年を迎えた。P子さんは、確か85歳を迎えるお年と思われるが、『家路』を支える体制は強固で、この祝う会には170人が集まった。それは「店を絶対にやめさせない」というメッセージと受け取った。素晴らしいことだ。
 『ともしび』時代を加えれば、P子さんは、戦後70年をうたごえ運動に捧げつくしたと言っていいだろう。私も、組合運動を通じて歌唱指導や演劇指導を受け、大変なお世話になった。戦後史に一つの文化的足跡を残した人といえるだろう。

 ただ、参加者の高齢ぶりが気になった。おそらく平均年齢70歳前後だろう。『rともしび』に行ってもそうだし、私は、団塊世代がいなくなったらうたごえ運動は消えるのではないかと危惧している。
 しかしそれでいいのかもしれない。たくさんの素晴らしい歌を残した。歌手上条恒彦や作曲家いずみたくなどを生んだ。この大きな文化運動は、必ずや歴史に痕跡を残すだろうから。


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