毎年この時期になると、残り試合日数をにらみながら広島カープの優勝の行方を占う。二位チーム(主として巨人)の追い上げをにらみながら、カープがどのペースで行けば勝ちが残るかを計算する。過去3年とも、かなりのゲーム差をもって勝ち進んでいたので、専門家筋ではカープの優勝を読み切っていたが、一ファンとしては心配でしようがない日々を送った。
ところが今年は全く違った。開幕直後から連敗が続き、その後盛り返したが苦手な交流戦で最下位に落ちるや、ペースは上がらない。それでも最後の踏ん張りで首位巨人に半ゲーム(1ゲーム?)まで詰めたが、ついに事切れ、ゲーム差は開くばかり。それでもファンとしては「何とかなるのではないか?」とあきらめきれず、最後の望みを巨人三連戦に懸ける。この26日~28日の三連戦であった。
第一戦はジョンソンが頑張り(7回完封)行けるかに見えた。しかし第二戦、野村が踏ん張り切れず巨人のエース菅野に屈すると、第三戦はカープのエース大瀬良が見るも無残に打ち砕かれた。今年のカープを象徴するかのようであった。
大瀬良は10点を取られた。例の緒方監督流で、撃たれに打たれ10点取られても代えない。「エースとして自ら始末せよ」とでも言っているのか、見るに堪えなかったが、ようやくワンアウトを取って交代が許された。しかもそのとどめを刺したのは、丸の満塁ホームランであった。カープが手塩にかけて育てた三番打者丸は、巨人に移ってその三番打者として見事な恩返しをしたのである。絵に描いたようなドラマであった。
広島カープは三連覇に疲れ果てたかに見える。巨人のように財力もなく、選手層の厚みを持たない。そのような地方球団が三連覇を遂げるなどは並大抵のことではなく、まさに奇跡であったのかもしれない。打者も投手も疲れ切ったのではないか?刀折れ矢尽きた感があり、四連覇など周囲が見るほど甘くないことを思い知った。
ただ、カープにはここ数年に採った高校生を中心にした将来性ある選手がいる。彼らをカープ流(緒方流?)に育て上げて、、2、3年後に再び黄金時代を迎えるものと信じている。