旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

終戦を挟む二つの77年

2022-08-21 14:47:23 | 政治経済

 

 八月は第二次大戦の終戦を記念する月である。1945年8月、6日に広島、9日に長崎に原爆を投下され、15日にポツダム宣言を受託し敗戦を迎えた。日本は焦土と化していた。今年はそれから77年目。
 一方、敗戦の年から77年を遡ると明治元年(1868年)、つまり明治維新に突き当たる。この明治維新は、鎖国に守られた泰平文化の江戸時代に幕を下ろし、日本の目を一気に海外に向けさせた。以降、日本は国を挙げて軍事強化に励み、覇権主義的海外進出に突き進む。日露戦争、日支事変、大東亜戦争(第二次大戦)への道である。満州(中国東北部)にカイライ政権を樹立し、朝鮮、台湾を植民地化し、更に南洋諸島の石油権益に手を伸ばした。勿論それは、世界列強の許すところでなく、前述の敗戦につながった。
 翻って戦後の77年間、日本は平和の道を歩いてきた。少なくとも形の上で、日本国民が他国と戦火を交えることはなかった。しかし、実体的にはアメリカの世界軍事戦略に組み込まれ、自衛隊は軍隊そのもの力を備え、5兆円を超える軍事予算は、米・中を除く列強に比肩する。それでも戦火の道に踏み出さなかったのは、平和憲法を守る日本国民の闘いの成果であっただろう。
 ところがここに来て怪しくなってきた。ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮の核開発、中国の近海覇権行動(含む台湾有事)などが、一気に軍備強化、軍事大国化に日本を向かわせようとしている。
 次の77年に向けてどのような一歩を踏み出すか? 日本は岐路に立っているのではないか。

 


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