イチローの引退、貴景勝の大関昇進が世を賑わしている。
米大リーグの日本開幕戦を引退の舞台としたイチローの引き際は爽やかであった。あえて「鮮やか」と言わないのは、ついにヒットの一本も出なかったことによる。しかしそれは、28年間に及ぶイチローの選手生活と数々の記録を、いささかも傷つけるものではなかった。むしろ、最後まで努力し続けるイチローの生きざまを示して爽やかであった。
後悔はないか、と言う質問に対し、「今日の球場の出来事を見せられたら、後悔などあるはずがない」と言い切った。彼は、記録や結果より、その結果を求めて頑張ったこと、その努力により絶えず自己の限界を超えていったこと、これを評価すると言い続けた。
生きざまについて聞かれると、「少しずつの積み重ねしか自分を超えていけない。遠回りすることでしか本当の自分に出会えない気がする」と答えている。とても常人の理解するところではない。
相撲界では、貴景勝が期待通り大関昇進を果たした。伝達式の口上にあった「武士道」には驚いたが、これも、「勝っておごらず、負けて腐らず、受けた恩は必ず返す。小さい時から、この言葉で自分を築き上げてきた」と説明されて参った。
思えば、今の日本には武士増精神ぐらいしかいいものは残っていないのではないか? 一流と言われていた経済は、不正経理や相次ぐ基準違反でメッキが剥げてきたし、長期停滞でGDPの世界順位も下げ続けている。政治はそもそも三流であったし、憲法9条を持つ平和主義も怪しくなってきた。
この若者は、これに気が付いていたのか、3歳の時から武士道精神で生きてきたようだ。ただ、中学生の時に掲げた「20歳で横綱」には及んでいない。しかしイチローが、「50歳まで現役、を掲げながら有言不実行に終わったが、その目標があったから今日までこれた」と言っているので、貴景勝も「20歳で横綱」という目標があったからこそ、22歳の大関が実現したのかもしれない。
この齢になっても、学ぶことばかりである。
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