歴史認識という言葉が新聞の見出しを賑わすようになったのは何時の頃からだろう。
江沢民・前中国主席が人民服で天皇主催の晩餐会に呼ばれ、無礼な説教を垂れたあの頃からだったような気がする。
それ以来歴史認識という言葉は私にとって、常に中国の国家主席と対で連想されるようになった。
更に 靖国神社という言葉は何時の頃から「歴史認識」と対になったのだろう。
東京では大学時代を挟んで10年近く生活した。
その間、靖国参拝をしたことは一度も無かったし、関心も無かった。
私にとっての靖国神社は、沖縄からはるばる上京して「見学」した高校の修学旅行時のおぼろげな記憶にしか存在しない。
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胡錦涛中国主席は北京に呼びつけた橋本元総理に「日本の次期首相は靖国参拝をしない者」との条件を提示した。
但し、一般の人が参拝するのはお構いなしと鷹揚に構えている。
しかし、そもそも靖国参拝の可、不可の許可を中国が出す基準は一体何なのか。
日本の国技大相撲が明治神宮で奉納相撲をする事はテレビの報道などがあるのでよく知られている。
が、中国が蛇蠍の如く嫌う靖国神社にも「靖国神社奉納大相撲」があることを恥ずかしながら知らなかった。
靖国神社の説明によると≪「奉納大相撲」は靖国神社のみたまを慰める為、明治2年(1869)神社創立鎮座祭に初めて3日間行なわれて以来、例大祭及び臨時大祭には、毎年恒例の行事として行なわれてきた伝統のある「大相撲」である。≫との事。
「奉納」の意味を例によって辞書検索してみると≪神仏に喜んで納めてもらうために物品を供えたり、その前で芸能・競技などを行ったりすること≫とある。
常識で考えても「奉納」は「参拝」よりその神仏に対する崇拝の念は重く深い。
参拝で小泉首相はポケットから小銭を出し賽銭箱に投げ入れたが、奉納となると金銭で云えば少なくとも30万円以上は奉納しないと格好がつかないだろう。
大相撲を開催する費用がいかほどかは想像の外だが、「奉納相撲」は日本相撲協会の役員及び幕内力士が全員が勿論無料で奉仕し「奉納」するという。
当然の事ながら多くの観客が無料でで観戦できるという。
何事も金銭に換算する俗人の浅はかさだが、金額に換算したら膨大な額の奉納金になるだろう。
大相撲には君が代斉唱と日の丸掲揚が伴う。
しかも天皇杯を争う日本の国技であり、天覧相撲もある。
胡錦涛さん、カンベンして下さいよ。
≪個人の靖国参拝は許可する。 だが、国技で国歌を斉唱し国旗を掲揚する大相撲協会は個人ではない。 それが靖国神社に参拝、・・いや、奉納するのは許可しない! これは中国人民に対する侮辱だ!≫ ・・なんて、云わないで下さいよ。
◆その「靖国神社奉納大相撲」が今日(4月7日)開催されるそうだ。 http://www.yasukuni.or.jp/event/sumou.html
靖国神社は桜の名所でもあると云う。
去年の「靖国奉納相撲」を写真で見たが、桜を背景に取り組む力士の姿に、国技館の風景とは又違った趣を感じた。
靖国というと反射的に「歴史認識」・・・というように、ていよく中国に利用されているのには腹立たしい限りだが・・・。
せめてきょう1日は力士の巨体にあやかって『春風駘蕩』、おおらかに靖国の桜を楽しんでほしい。
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★蛇足:奉納大相撲実施要領
奉 納 (財)日本相撲協会
日 時 平成18年4月7日(金) 午前9時から午後3時頃
場 所 靖国神社相撲場
入 場 無 料
内 容 1. 土俵祭(午前9時)
2. 取組開始(午前10時40分)初切り・相撲甚句 櫓太鼓打ち分け
3. 神前参拝(午後1時30分)
4. 中入(午後2時) 横綱以下幕内力士土俵入
5. 打出し(午後3時予定)
6. 収容人員 当日先着順6,000名。