9月12日「産経対朝日の「言論弾圧」戦争」のタイトルでエントリーした。
戦火は収まるどころか、更に海を超えてワシントン・ポスト紙に飛び火した。
もともとこの「言論弾圧戦争」はワシントン・ポストが産経新聞とそのワシントン駐在の古森記者に仕掛けたものだ。
朝日がこれを捉えて「問題化している」と騒いだのは国際的に影響力のあるWポストの尻馬に載ったに過ぎない。 虎の威をかりる何とやら、というやつだ。
8月27日のW・ポストの問題の記事(「日本の思想警察の台頭」)の後古森氏はW・ポストに抗議の意味を含めて反論の手紙を書いたが、昨日現在まで黙殺されているという。
返事がないのなら言論戦争だとばかり昨日の産経新聞に古森記者が反論記事を書いた。
さあ、これでも無視を決め込みますか、W・ポストさん、そして執筆者のクロメンスさん。
◆産経新聞 2006年9月16日
古森記者「ワシントン・ポスト投稿文に反論する」
■事実無根の中傷こそ威嚇行為
【ワシントン=古森義久】産経新聞と記者(古森)が日本の公的人物を威嚇し、その言論を弾圧していると非難する投稿が米紙ワシントン・ポスト8月27日付に掲載された。米国民主党系活動家が書いた同投稿文は記者がテロを意識的に扇動しているとも断じた。この事実無根の中傷こそ自由な言論への威嚇として反論したい。
民主党系の政治活動にかかわり、日米関係についても時折、論評するワシントン在の米国人スティーブ・クレモンス氏は「日本の思想警察の台頭」と題した同文で記者が8月12日付本紙国際面に書いたコラム「緯度経度」をまず「自由な言論を抑圧し、市民社会に後退を迫る右翼による公的人物に対する威嚇キャンペーンの最新の襲撃」だと非難した。
記者のコラムは外務省管轄下の公的機関の日本国際問題研究所(JIIA)が外国向けに日本の外交や安保の政策の根本を否定するような極端な内容の英語論文を連続して発信していることを伝え、その理由を問うだけだった。
だがクレモンス氏は「古森はJIIAの佐藤行雄理事長に謝罪を要求した」と書き、佐藤氏が8月18日付の産経新聞で同英文論文は「所内の審査が行き届かないままに発信が行われた」「公益法人としての当研究所の立場にふさわしくない表現や誤解を招く用語があった」と認め、そのサイト掲載を停止したことをとらえて、「(産経による)言論弾圧」と糾弾した。
しかし現実には記者は同コラムでは穏健な表現に終始し、佐藤氏への謝罪も掲載停止も一切、求めておらず、クレモンス氏が原文をきちんと読んでもいないことが明白となった。またJIIAが内部の手続き不備を主理由に自組織の一定発信を自主的に停止したことが言論弾圧ではないことも明白である。
しかし同投稿文はそこから一気に「超保守の」産経新聞や記者が「1930年代ふうの軍国主義、天皇崇拝、そして『思想統制』の復活を切望する極右活動家の暴力的なグループ」の一部だとして、「そのグループが最近は主流となり、自分たちに同意しない人たちを攻撃し始めた」と述べている。このクレモンス氏の記述は捏造(ねつぞう)としか評しえない。
産経も記者も「1930年代ふうの軍国主義などの復活を切望した」ことは皆無であり、民主主義や言論の自由への一貫した支持表明により、軍国主義には強く反対してきた。
しかしクレモンス氏は「この種の極右の一員が先週、自民党元幹事長の加藤紘一氏の実家を焼いた」と記し、あたかも本紙や記者がその放火容疑者とつながっているかのように中傷した。ちなみに本紙はこの放火を事件直後の社説で厳しく糾弾している。クレモンス氏はさらに富士ゼロックスの小林陽太郎氏や元外務省の田中均氏に対するテロまがいの威嚇行為を列記して本紙などとの関連をにおわせ、さらにこうした流れは戦前の犬飼毅首相暗殺と同様の傾向だと断じている。
そのうえでクレモンス氏は記者について「産経の古森は彼の言論が最近のテロ実行犯らを頻繁にあおることにも、彼らの(テロ)行動が彼の言論に恐怖を高めるパワーを与えていることにも無意識ではない」と書いた。
つまり記者がテロ行為を意識してあおっているという不当な断定である。同氏は記者へのこの威圧的な中傷になんの根拠も示していない。
ワシントン・ポストは日本の主要全国紙である産経新聞とそのワシントン駐在記者に対しこれほど重大かつ不当な誹謗(ひぼう)の文章を掲載するにあたって、事前に当事者に対して事実関係を調べる作業をしていない。掲載後すぐに記者は反論を書き、ポストあてに送ったが、2週間以上が過ぎた14日現在、掲載されないため、本紙でまず反論することとした。(ワシントン駐在編集特別委員・古森義久)
<産経新聞>
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通常抗議文や抗議記事に対する反論記事が出ない場合、抗議を認めたとみなされる。
前にも書いたが「言論弾圧」とは時の権力が力でもって民間の自由な発言を封ずるものと解する。
民間の新聞記者が政府機関に属する外務省の下部機関の言論に反論し、その機関が反省したからと言って言論弾圧とは言わない。
これはむしろ日本で正常な言論の自由が認められている査証に他ならない。
太平洋を挟んだ産経新聞とワシントン・ポスト両氏の言論弾圧戦争今後の成り行きやいかん。
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◆古森記者がサヨクの集中攻撃に?
「フリー百科事典 ウィキペディアWIKIPEDIA」が産経・古森記者のことを「自称ジャーナリスト」、「自民党御用言論人」と誹謗していたという。
そのことを古森氏が自ブログで書いたら、それが問題だと騒ぐグループがいるという。
古森氏が憎いグループにとって、個人誹謗に対する、自己弁明をブログに書くことさえもも言論弾圧に映るのだろう。 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの類だろう。
だが古森氏にヒットラーやゲッベルスのような言論弾圧の権力があるとはどうしても思えない。
いやむしろ個人誹謗に対する反論を自己のブログで書くことを「言論弾圧」と言う人々こそ言論弾圧の謗りを受けるべきだろう。
当日記は古森氏を応援する。
以下古森氏のブログの引用。
インターネット世界での個人の誹謗や名誉毀損は実に多様な方法があるものだと感じました。
最近、「フリー百科事典 ウィキペディアWIKIPEDIA」と称するネットに、私に関する飛んでもない誹謗が載っていると知人から知らされました。ネットでの無署名の悪口雑言には慣れているので、しばらく放置していたのですが、他の知人たちからも何回が指摘され、みてみました。
なるほどひどいのです。
「古森義久」に関しては過去の産経新聞や毎日新聞での報道活動の記録や、40冊以上の著書は「事典」の下の方に記されているのですが、冒頭に「古森」の紹介として、「自称ジャーナリスト」とあるのです。これでは私は詐欺師のようですね。しかも「自民党右翼の御用言論人」とあります。
私のジャーナリスト活動が単に自称に過ぎないのか。では日本新聞協会賞、日本記者クラブ賞などの私の受賞はなんなのでしょうか。
「御用」とあるからには、私を御用にする側と私の間に特別なつながり(契約とか報酬支払いとか定期的接触など)があるということでしょう。しかし実際にはそんなものは皆無です。「御用」であることを証明してもらいたいですね。
要するにこの「フリー百科事典」なる書き込みの場は私の日ごろの言論が嫌で嫌でたまらない左翼分子の誹謗のフォーラムとなっているのです。この種のデッチアゲは便所の落書きに等しいのでしょうが、卑劣ですね。
もっとも私へのこれほど卑怯で稚拙なデマゴーグが出てくることは、私に対して、とにかく必死で攻撃を浴びせねばならないという焦りをも感じさせ、私の言論がそれだけ重みを持っているということなのでしょうか(半分、冗談ですが)
★参考エントリー:
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